AWS CLF(Cloud Practitioner)対策
コスト管理ツール
このレッスンでは、コストに関する4つのツールを役割で使い分けられるようになります。試験で最も取り違えが多いのが Cost Explorer と Budgets なので、そこを重点的に整理します。
自分でサーバーを建てていたときは
オンプレミスの費用は、機材の請求書、データセンターの利用料、回線費と、別々の紙で後からまとめて届きました。どのアプリが電気代をいくら使ったかは分かりません。使いすぎを事前に止める仕組みも無く、気付くのは請求が来てからでした。
AWS では利用の内訳が細かく記録されるので、「見る」「知らせる」「事前に見積もる」「生データで分析する」という4つの道具に分かれています。
4つのツールの役割
| ツール | 何をするか | 向いている場面 |
|---|---|---|
| AWS Cost Explorer | 過去から現在のコストをグラフと表で見る。サービス別、タグ別に分解でき、傾向から将来の予測も出す | 「先月なぜ増えたのか」を調べる |
| AWS Budgets | 金額や使用量にしきい値を決め、超えそうなとき、または超えたときに知らせる | 「月◯を超えたらメールがほしい」 |
| AWS Pricing Calculator | まだ使っていない構成の費用を事前に見積もる | 移行前の提案書、稟議の資料 |
| AWS Cost and Usage Report (CUR) | 利用明細の最も詳細な生データを S3 に出力する | 独自の分析基盤や BI に取り込む |
Cost Explorer と Budgets の分かれ目
この2つは名前も画面も近いので、問題文の動詞で判断します。
- 可視化する、分析する、内訳を調べる、傾向を見る → Cost Explorer
- アラートを出す、通知する、しきい値、超えたら知らせる → Budgets
Cost Explorer は過去を振り返る道具で、勝手に通知はしません。Budgets は「いくらまで」という基準を人が決めて置いておく道具で、基準を超える見込みになったときに通知します。「予算超過を検知して知らせたい」と書いてあれば Budgets、「どのサービスにいくらかかったか知りたい」と書いてあれば Cost Explorer です。
なお Budgets はコストだけでなく使用量やリザーブドインスタンスの利用率にもしきい値を置けます。「金額の話でなければ Budgets ではない」と決めつけないでください。
見積りと明細
AWS Pricing Calculator はこれから作る構成の見積りです。まだ請求が発生していない段階で使うのがポイントで、実際の利用額は扱いません。逆に Cost and Usage Report は実績側の最も細かい記録で、時間単位、リソース単位の行が S3 に置かれます。人が読んで判断する形ではなく、機械で処理する前提のデータです。
請求そのものの確認と支払い方法の管理は AWS Billing のコンソールで行います。
試験ではこう出る
言い換えのパターンは決まっています。
- 「支出を可視化したい」「サービス別に分析したい」「過去12か月の傾向を見たい」→ Cost Explorer
- 「上限を決めて超えたら通知したい」「使いすぎを早めに知りたい」→ Budgets
- 「移行前に費用を試算したい」「見積書を作りたい」→ Pricing Calculator
- 「最も詳細な利用明細を自社の分析基盤に取り込みたい」→ Cost and Usage Report
- 「無駄なリソースやコスト削減の助言がほしい」→ AWS Trusted Advisor(コスト最適化のチェック)
誤答の選択肢には CloudWatch がよく混ざります。CloudWatch はリソースの監視であってコストの分析ツールではない、という切り分けを持っておくと落とせます。
まとめ
- Cost Explorer は見る道具、Budgets は知らせる道具です
- Pricing Calculator は使う前の見積り、Cost and Usage Report は使った後の生データです
- Budgets はコストだけでなく使用量にもしきい値を置けます
- コスト削減の助言は Trusted Advisor、リソース監視は CloudWatch と切り分けます
復習ミニクイズ
毎月のクラウド費用が想定を超えないよう、あらかじめ上限額を決めておき、超過しそうになったら担当者にメールで知らせたいと考えています。最も適切なサービスはどれですか。