3秒でわかる
クラウド事業者がデータセンターを置いている地理的な区画。応答速度と法規制と料金が変わるため、構築時に必ず選ぶ設定項目です。
もう少し詳しく
どういうものか
リージョンは、クラウド事業者がデータセンター群を設置している地理的な区画です。AWS では東京が ap-northeast-1、大阪が ap-northeast-3、バージニア北部が us-east-1 という識別子で表されます。Google Cloud は asia-northeast1、Azure は japaneast のように事業者ごとに命名が違います。
ひとつのリージョンの内部は、さらに数個のアベイラビリティゾーンに分かれています。ゾーンは電源も回線も独立した別々の建物で、片方が落ちてももう片方が生き残る設計になっています。
なぜ必要か
サーバーを物理的にどこへ置くかで、3つのことが変わります。第一に応答速度です。日本のユーザーが米国のリージョンにアクセスすると、光の速さの制約だけで往復 100 ミリ秒以上かかります。第二に法令とデータの所在です。個人情報を国外へ出せない契約や、GDPR のように保存場所を問う規制があります。第三に料金で、同じ構成でも東京とバージニア北部では時間単価が2割前後違うことがあります。
具体例
# 現在のリージョンを確認する
aws configure get region
# リージョンを指定してS3バケットを作る
aws s3api create-bucket --bucket my-app-assets-tokyo --region ap-northeast-1 --create-bucket-configuration LocationConstraint=ap-northeast-1
# 別リージョンの同名リソースは別物として扱われる
aws ec2 describe-instances --region ap-northeast-1
aws ec2 describe-instances --region us-east-1リージョン ap-northeast-1 (東京)
+- アベイラビリティゾーン ap-northeast-1a [別建物]
+- アベイラビリティゾーン ap-northeast-1c [別建物]
+- アベイラビリティゾーン ap-northeast-1d [別建物]
同じリージョン内の2ゾーンにサーバーを置くと、片方の停電でもサービスは続くつまずきやすいところ
もっとも多いのは、マネジメントコンソールの右上のリージョンが切り替わっていて「作ったはずのリソースが見当たらない」という事故です。EC2 も S3 のバケット一覧以外の多くのリソースもリージョンごとに独立しているため、us-east-1 で作ったものは ap-northeast-1 の画面には出ません。
もうひとつは、新しいサービスがすべてのリージョンで同時に使えるわけではない点です。生成 AI 系のサービスは us-east-1 で先行提供されることが多く、東京リージョンだけで設計を進めると後から詰まります。IAM やルーティングのようにリージョンを持たないグローバルなサービスもあり、これらは切り替えても表示が変わりません。
似た用語との違い
| 語 | 範囲 |
|---|---|
| リージョン | 地理的な区画。東京、大阪、シンガポールなど |
| アベイラビリティゾーン | リージョン内の独立した建物。障害を分離する単位 |
| エッジロケーション | CDN の配信拠点。世界中に数百あり、静的配信を担う |