グラフのきほん
このレッスンでできるようになること。matplotlib で図を1枚作り、そこに何が描かれたかをコードで確かめられるようになります。
表を眺めて分かることには限界があります。3店舗6ヶ月なら18個の数字ですが、これを見て「渋谷店は3月から伸びている」と言い当てるのは大変です。図にすれば一目です。可視化は飾りではなく、人間の認知に合わせて数字を並べ替える作業です。
matplotlib の使い方には流儀が2つありますが、このコースでは図と軸を明示的に受け取る書き方に統一します。
Python
import matplotlib
matplotlib.use("Agg")
import matplotlib.pyplot as plt
fig, ax = plt.subplots()
ax.plot(["2026-01", "2026-02", "2026-03"], [12000, 8000, 15000])3行目までがおまじないに見えるかもしれませんが、意味があります。matplotlib.use("Agg") は、画面を持たない環境で図を描くための指定です。サーバー上で動かす場合はこれが無いと落ちます。必ず pyplot を import する前に書いてください。
plt.subplots() は、図全体を表す fig と、実際に描く領域を表す ax の2つを返します。以降の描画はすべて ax に対して行います。ax を経由すると、後で図を2枚並べたくなったときも同じ書き方が使えます。日本語のラベルはそのまま表示できるので、店舗名やカテゴリ名をローマ字に直す必要はありません。
さて、このコースでの採点の考え方をここで説明しておきます。図の見た目そのものを機械で判定するのは難しく、また意味もありません。代わりに、描いた図から数字を読み返して確かめます。折れ線なら ax.get_lines() で線を取り出し、line.get_ydata().tolist() でその線が持っている値の並びが分かります。タイトルは ax.get_title() で取り出せます。
Python
values = ax.get_lines()[0].get_ydata().tolist()この読み返しは、採点のためだけの技ではありません。自分の書いたコードが本当に意図した数字を描いているかを、目視ではなくコードで確かめられるということです。グラフの軸を取り違えて発表してしまう事故は現場でも起こります。読み返す癖は、そのまま身を守る技術になります。
要件
- matplotlib.use("Agg") を pyplot の import より前に書く
- fig, ax = plt.subplots() の形で軸を受け取る
- 売上日ごとに 金額 を合計し、古い順に並べる
- ax.plot で折れ線を1本描く
- y は ax.get_lines() から読み返した値を int にしたリスト
入出力例
draw_first_line("売上日,店舗,商品名,カテゴリ,数量,金額
2026-01-05,渋谷店,白磁のマグカップ,食器,2,3600
2026-01-06,横浜店,鉄のフライパン,調理器具,1,7800
2026-01-07,大宮店,積み重ね収納ボックス,収納,3,4500
") → {"labels":["2026-01-05","2026-01-06","2026-01-07"],"line_count":1,"y":[3600,7800,4500]}
draw_first_line("売上日,店舗,商品名,カテゴリ,数量,金額
2026-02-04,大宮店,白磁のマグカップ,食器,5,9000
2026-02-03,渋谷店,鋳物ホーロー鍋,調理器具,1,16800
2026-02-03,横浜店,布製収納バスケット,収納,2,3000
") → {"labels":["2026-02-03","2026-02-04"],"line_count":1,"y":[19800,9000]}