ディレクトリの移動と確認
このレッスンで分かること
- 現在地は
pwd、移動はcd、中身はlsの 3 コマンドで把握しますcd -で直前のディレクトリへ、cd ~でホームへ、cd ..で親へls -laで隠しファイルとパーミッションを同時に確認
ディレクトリの移動と確認 とは
cdコマンドでディレクトリを移動し、pwdコマンドで現在のディレクトリを確認する操作を学びます。本レッスンでは、ディレクトリの移動と確認 の基本から実際の使いどころまでを整理し、現場で迷わず使える形に落とし込みます。
なぜ重要か
端末でLinuxを操作するときの最初の一歩は「自分が今どこにいるか」「ここには何があるか」「次にどこへ行くか」を把握することです。サーバー運用やコンテナ内デバッグでも、まずやるのはディレクトリの確認です。本レッスンでは現在地を示す pwd、移動の cd、中身を見る ls の3点セットを身につけます。
Webアプリのデプロイ、ログ調査、リポジトリ間の往復など、業務シーンの裏ではこの3コマンドが何百回も走ります。打鍵を最小にしながら確実に「迷子」を防げると、作業のテンポが目に見えて変わってきます。
基本構文
ターミナル
pwd # 現在地を表示
cd ディレクトリ # 移動
ls [オプション] [パス] # 一覧表示よく使うオプションは次のとおりです。
| コマンド | オプション | 役割 |
|---|---|---|
| ls | -a | 隠しファイルも表示 |
| ls | -l | 詳細表示(権限・サイズ・日時) |
| ls | -h | サイズを人間に読める形に |
| ls | -t | 更新日時順 |
| ls | -S | サイズ順 |
| ls | -R | サブディレクトリも再帰表示 |
| cd | - | 直前のディレクトリへ戻る |
| cd | ~ | ホームへ |
動作の図解
代表例
ターミナル
$ pwd
/tmp
$ ls
$ cd /tmp
$ ls -la
total 8
drwxrwxrwt 2 root root 4096 May 19 10:00 .
drwxr-xr-x 18 root root 4096 May 19 09:55 ..ターミナル
# 隠しファイル込みで詳細表示
$ ls -la /etc | head -3
total 1200
drwxr-xr-x 100 root root 12288 May 19 10:00 .
drwxr-xr-x 20 root root 4096 May 19 09:55 ..ターミナル
# 直前のディレクトリにジャンプして戻る
$ cd /var/log
$ cd /tmp
$ cd -
/var/logターミナル
# 更新が新しい順 / サイズの大きい順
ls -lt /var/log | head
ls -lhS /var/log | head特殊なパス記号
| 記号 | 意味 |
|---|---|
. | 現在のディレクトリ |
.. | 親ディレクトリ |
~ | ホームディレクトリ |
~user | 別ユーザーのホーム |
- | 直前にいたディレクトリ |
/ | ルート |
ls の読み方
ls -l の1行は次のような構造です。
ターミナル
-rw-r--r-- 1 alice users 120 May 19 10:00 README.md左から順に、ファイル種別+権限、ハードリンク数、所有者、グループ、サイズ、最終更新時刻、ファイル名です。普段は名前さえ見ればよいですが、トラブル時はこの全情報が役に立ちます。
cdを引数なしで打つと、どこにいてもホームディレクトリ(~)に戻ります。長いパスから一気に脱出したいときに便利です。
「Where am I」「What is here」「Where to go next」の3点が把握できれば、シェル操作の8割は怖くなくなります。
サブシェルでの一時的移動
本筋から脱線せずに別ディレクトリで作業したいときは、サブシェル (...) で囲うと安全です。
ターミナル
# サブシェル内で cd しても親シェルの現在地は変わらない
( cd /var/log && ls | head -3 )
pwd # 元の場所のままエラーから学ぶ
ターミナル
$ cd /var/nope
bash: cd: /var/nope: No such file or directoryメッセージを読めば原因がほぼ分かるのが Linux のいいところです。落ち着いて ls で隣をのぞいて、正しいパスを再確認しましょう。
ディレクトリスタックの活用
何度も同じ2か所を行き来するときは pushd / popd が便利です。cd の履歴をスタックとして積み、popd で一気に戻れます。
ターミナル
pushd /var/log # スタックに積んで移動
pushd /tmp # さらに積んで移動
popd # /var/log に戻るcd - が「直前の1か所」なのに対し、pushd/popd は複数の場所を覚えておけるのが強みです。
やってみよう
演習エディタで /tmp に移動し、mkdir で新しいディレクトリを作って、その中を ls で確認してみましょう。最後に cd - で元の場所に戻れることも体験してください。
ここまでの要点
pwd cd ls の 3 点で「自分の現在地と周辺」が把握できる。cd - で直前に戻る、サブシェル (...) で一時的移動。ls -l の読み方を覚えると権限・所有者・サイズが一目で分かる。
まとめ
- 現在地は
pwd、移動はcd、中身はlsの3コマンドで把握する cd ..cd ~cd -を使い分けると操作が速くなるls -laで隠しファイルとパーミッションを同時に確認できる- 特殊記号
...~-/の意味を覚えると相対操作が楽になる - 一時的に別ディレクトリで作業するときはサブシェル
(...)が安全
次のレッスン
次は 絶対パスと相対パス で、cdコマンドでディレクトリを移動し、pwdコマンドで現在のディレクトリを確認する操作を学びます を学びます。
事前確認 — 進む前に次の 3 つができることを確認しましょう。
- cd / pwd / ls の要点を自分の言葉で説明できる
- このレッスンの最小コード (または操作手順) を見ずに書ける
- 練習問題やクイズで間違えた箇所を読み直して理解した
理解度チェック (30 秒)
Q. cd / pwd / ls とは何か、1 文で説明してください。
A. 本文の「このレッスンで分かること」または冒頭の説明文を見直し、自分の言葉で要約できれば OK。詰まったら本レッスンの最初の H2 セクションを読み返してみましょう。
関連レッスン
課題
- cd, mkdir, pwd の3コマンドを使う
- 最後に /tmp/demo_nav が出力される