PATH を理解する
インストールしたのに、見つからないと言われる
手順どおりにツールを入れて、いざ名前を打つとこう返ってきます。
ターミナル
mytool --version
# bash: mytool: command not foundファイルは確かに置かれています。それでも見つからないのは、シェルが探しにいく場所を決め打ちしているからです。その場所の一覧が環境変数 PATH で、コロンで区切って並んでいます。
ターミナル
echo $PATH
# /usr/local/bin:/usr/bin:/binシェルは、名前を打たれると先頭のディレクトリから順に同じ名前のファイルを探します。全部見て見つからなければ command not found です。だからこのエラーは「入っていない」ではなく「探した場所に無い」という意味になります。入れたツールがどこに置かれたのかを確かめて、その場所を PATH に足せば解決します。
先に見つけた方が勝つ
PATH は先頭から順に見て、最初に当たったところで探索をやめます。同じ名前のファイルが複数のディレクトリにあると、前に並んでいる方だけが実行されます。バージョンを上げたのに古い方が動き続ける、という現象はこれです。
いま実際にどれが動いているかは which で分かります。候補が複数あるかどうかまで知りたいときは type -a を使います。
ターミナル
which python
# /usr/bin/python
type -a python
# python is /usr/local/bin/python
# python is /usr/bin/pythontype -a が 2 行返したなら、上の行が勝っています。新しい方を使わせたければ、そのディレクトリを PATH の前に持ってきます。
ターミナル
export PATH="$HOME/.local/bin:$PATH"前に足すと優先され、うしろに足すと既存のものが優先されます。言語のバージョン切り替えツールがやっているのも、結局この並べ替えです。仕組みを知っていると、切り替えたつもりで切り替わっていないときに自分で追えます。
:$PATH を落とすと ls すら動かなくなる
PATH を足すときの書き方には、事故になる形があります。
ターミナル
export PATH="$HOME/.local/bin"これは追加ではなく置き換えです。もともと並んでいた /usr/bin などが全部消えるので、ls も grep も見つからなくなり、そのシェルではほとんど何も打てなくなります。必ず末尾に :$PATH を残して、既存の一覧を引き継いでください。
もうひとつ避けたいのが、いま居るディレクトリを PATH に入れることです。作業用のディレクトリに ls という名前のファイルが紛れ込んでいたら、それが実行されます。中身が何かは分かりません。共有サーバーでは特に危険なので、入れないでください。
「コマンドが動かない」と相談されたら、
echo $PATHとwhichの 2 つから始めてください。置き場所が一覧に入っていないだけ、という結末が圧倒的に多く、数十秒で終わります。
課題
- $PATH を 1 行ずつに分割する
- head で件数を絞って出力する