AWS Certified Generative AI Developer - Professional 資格対策コース
PII 保護とプライバシー(Macie・Comprehend・Guardrails)
このレッスンで学ぶこと 対応試験ドメイン D3 タスク 3.2.2(PII の検出と保護)と 3.2.3(プライバシー保護)。Amazon Macie・Amazon Comprehend・Amazon Bedrock Guardrails を、データの所在とタイミングに応じて使い分ける設計判断を身につけます。
解説
PII(個人を特定できる情報)保護は「どこにある PII を、いつ、どう守るか」で使うサービスが変わります。試験では似た 3 サービスの役割の違いが頻出です。混同しやすいので所在・タイミングで整理します。
3 サービスの役割分担
| サービス | 守る対象 | タイミング | 主な動作 |
|---|---|---|---|
| Amazon Macie | Amazon S3 上のデータ | 蓄積データのスキャン(非同期) | S3 の PII・機微データを検出・分類しダッシュボード化 |
| Amazon Comprehend | テキスト(バッチ/同期) | データ処理パイプライン | PII エンティティの検出(オフセット返却)。マスキングは検出結果を使って自前で行うか、非同期バッチジョブのリダクション出力を使う |
| Bedrock Guardrails | プロンプト/レスポンス | 推論のリアルタイム | 入出力の PII をブロックまたはマスキング |
ポイントは次の通りです。Macie は S3 のデータレイクや学習データ置き場に「PII が紛れていないか」を発見するスキャナ。Comprehend は処理パイプラインでテキストから PII を抽出・マスキングする NLP。Guardrails は推論時の入出力でリアルタイムに PII を伏せる安全レイヤーです。
典型的な組み合わせ
RAG の元データを S3 に蓄積する設計なら、次のように層を重ねます。
Python
import boto3
comprehend = boto3.client("comprehend", region_name="us-east-1")
# 取り込みパイプライン: Comprehend で PII を検出してマスキング
resp = comprehend.detect_pii_entities(Text=raw_text, LanguageCode="ja")
# 検出されたオフセットを基にマスキングしてからベクトル化・保存する- 蓄積前 — Amazon Macie で S3 上の既存データに PII が混在していないか定期スキャン
- 取り込み時 — Amazon Comprehend でドキュメントの PII を検出・マスキングしてからベクトル化
- 推論時 — Bedrock Guardrails の機微情報フィルタで、ユーザー入力とモデル出力の PII をリアルタイムにマスキング/ブロック
マスキングかブロックか
プライバシー要件によって動作を選びます。会話を継続したいならマスキング(匿名化)、絶対に扱わせたくない種類の PII ならブロックです。Guardrails は PII タイプごとに動作を指定できます。
試験で問われるポイント
- Amazon Macie は S3 のデータ検出、Amazon Comprehend はテキストの PII 検出・マスキング、Bedrock Guardrails は推論時の入出力 PII 制御。この 3 つの所在・タイミングの違いが最頻出のひっかけ
- 「S3 に蓄積した学習データに PII が紛れていないか発見したい」は Macie。「テキスト処理パイプラインで PII をマスキングしたい」は Comprehend。「チャットのリアルタイム入出力で PII を伏せたい」は Guardrails
- Guardrails の PII 動作はマスキング(匿名化)とブロックを使い分け。会話継続が要件ならマスキング
- Comprehend と Guardrails はどちらも PII を扱えるが、Comprehend は前処理パイプライン向けのバッチ/同期 NLP、Guardrails は推論呼び出しに統合された安全レイヤーという設計上の位置づけが違う
- 試験で問われるのは AWS のどのサービスが PII の所在・タイミングに合うかであり、PII の定義論ではない
サービスの使い分け早見表
| やりたいこと | 使うもの | 混同しやすいもの |
|---|---|---|
| S3 上の蓄積データの PII を発見・分類 | Amazon Macie | Comprehend(テキスト処理向けで S3 全体のスキャナではない) |
| テキスト処理パイプラインで PII を検出・マスキング | Amazon Comprehend | Macie(S3 のデータ検出でパイプライン内マスキングではない) |
| 推論時の入出力で PII をリアルタイム制御 | Bedrock Guardrails 機微情報フィルタ | Comprehend(推論統合の安全レイヤーではない) |
まとめ
PII 保護は「所在とタイミング」で使い分けます。S3 の蓄積データは Amazon Macie で発見、取り込みパイプラインは Amazon Comprehend で検出・マスキング、推論時の入出力は Amazon Bedrock Guardrails の機微情報フィルタで制御します。3 サービスの役割の違いが最頻出論点です。
次のステップ
次のクイズレッスンで、本番形式のシナリオ問題に挑戦して PII 保護の判断力を確認しましょう。
関連レッスン
- セキュアな AI 環境(pro-data-security)
- Bedrock Guardrails で入出力を安全化(pro-guardrails-io)
- コンプライアンス・モデルカード・監査証跡設計(pro-compliance)