AWS Certified Generative AI Developer - Professional 資格対策コース

Amazon Bedrock Agents・AgentCore とエージェンティック AI 基礎

生田 陸人
LuaGate エンジニア / 現役エンジニア
編集 LuaGate編集部

このレッスンで学ぶこと 対応試験ドメイン D2 タスク 2.1.1(エージェンティック AI の基礎)。Amazon Bedrock Agents の構成要素(アクショングループ・Knowledge Base・オーケストレーション)と、Amazon Bedrock AgentCore が提供するランタイム・メモリ・ゲートウェイ・アイデンティティを理解し、OSS フレームワーク Strands Agents との役割分担を区別できるようになります。

解説

エージェンティック AI とは、基盤モデル(FM)が自律的にツールを呼び出し、複数ステップのタスクを計画・実行する仕組みです。AWS でこれを実現する中心が Amazon Bedrock Agents です。試験では「自律タスク実行が必要なときに AWS のどのマネージド機能を選ぶか」という設計判断が問われます。

Amazon Bedrock Agents の構成要素

Bedrock Agents は FM にオーケストレーション能力を与えるマネージド機能です。主な構成要素は次の通りです。

構成要素役割
基盤モデル(FM)推論・計画・どのツールを呼ぶかの判断を担う
アクショングループ(Action Groups)呼び出せるツール群。OpenAPI スキーマか関数定義で API を宣言し、実体は Lambda 関数
Knowledge Base 連携RAG による社内データ参照。Amazon Bedrock Knowledge Bases を関連付ける
オーケストレーションユーザー要求を分解し、ツール呼び出しと推論を反復する制御ループ(マネージド)
プロンプトテンプレート前処理・オーケストレーション・後処理など各段階のプロンプトをカスタマイズ可能

開発者はツールの「実体」を Lambda 関数として書き、その「呼び出し仕様」を OpenAPI スキーマで宣言します。FM がどのツールをいつ呼ぶかは Bedrock のマネージドオーケストレーションが判断するため、ReAct ループを自前実装する必要がありません。

Amazon Bedrock AgentCore

Amazon Bedrock AgentCore は、本番運用グレードのエージェントを任意のフレームワークやモデルで動かすための基盤コンポーネント群です。Bedrock Agents が「マネージドなエージェント本体」であるのに対し、AgentCore は「エージェントを支える本番インフラ部品」を提供します。主なモジュールは下記のとおりです。

AgentCore モジュール提供する機能
AgentCore Runtimeエージェントを安全に長時間実行するサーバーレスランタイム
AgentCore Memory短期・長期のメモリ管理(会話文脈の永続化)
AgentCore Gateway既存 API や Lambda をエージェント用ツールに変換する仕組み
AgentCore Identityエージェントの ID・認可(外部サービスへの安全なアクセス)
AgentCore Observabilityエージェント挙動のトレース・監視

AgentCore は特定のフレームワークに縛られず、Strands Agents や他の OSS と組み合わせて使えます。

Strands Agents との境界(AWS 公式 vs OSS)

ここが試験の頻出ポイントです。Strands Agents は AWS が公開したオープンソースの SDKであり、コードでエージェントを構築するためのフレームワークです。一方 Amazon Bedrock Agents と Amazon Bedrock AgentCore は AWS マネージドサービスです。試験で「マネージドにオーケストレーションを任せたい」「インフラ管理を AWS に委ねたい」場合は Bedrock Agents / AgentCore が答えになります。Strands Agents は「コードで細かく制御したい」OSS の選択肢として位置づけられます。

コード例(Bedrock Agent の呼び出し)

作成済みのエージェントを実行時に呼び出す最小例です。認証情報は IAM ロール経由で、ハードコードしません。

Python

import boto3 client = boto3.client("bedrock-agent-runtime", region_name="us-east-1") resp = client.invoke_agent( agentId="AGENTID123", agentAliasId="ALIASID456", sessionId="session-001", inputText="先月の東京リージョンの請求額を集計して", ) for event in resp["completion"]: if "chunk" in event: print(event["chunk"]["bytes"].decode("utf-8"), end="")

試験で問われるポイント

  • Bedrock Agents と AgentCore の役割分担。Bedrock Agents は「マネージドなエージェント本体(オーケストレーション込み)」、AgentCore は「フレームワーク非依存で本番運用を支える部品群(ランタイム・メモリ・ゲートウェイ・アイデンティティ)」。どちらも AWS マネージド
  • Strands Agents は OSS。AWS 公式の試験範囲としては名称が出るが、それ自体はマネージドサービスではなくコードフレームワーク。「マネージドに任せたい」要件では Bedrock Agents / AgentCore を選ぶ
  • アクショングループのツール実体は Lambda 関数、呼び出し仕様は OpenAPI スキーマ。この対応関係がよく問われる
  • 社内ドキュメントを根拠に回答させたいなら、エージェントに Amazon Bedrock Knowledge Bases を関連付ける(RAG)

サービスの使い分け早見表

やりたいこと使うもの混同しやすいもの
マネージドな自律エージェント(オーケストレーション込み)Amazon Bedrock AgentsStrands Agents(OSS フレームワーク)
任意フレームのエージェントを本番運用する基盤部品Amazon Bedrock AgentCoreBedrock Agents(エージェント本体そのもの)
エージェントのツール実体を実装AWS LambdaAPI Gateway(公開エンドポイント用)
エージェントに社内データを参照させるAmazon Bedrock Knowledge BasesAmazon Kendra(エンタープライズ検索単体)

まとめ

エージェンティック AI を AWS で実現する中心は Amazon Bedrock Agents(マネージドなオーケストレーション)と Amazon Bedrock AgentCore(フレームワーク非依存の本番運用部品群)です。ツール実体は Lambda、宣言は OpenAPI、社内データ参照は Knowledge Bases という対応を押さえます。Strands Agents は AWS 公式の OSS フレームワークで、マネージドサービスとは区別して判断するのが試験の肝です。

次のステップ

次のクイズレッスンで、エージェント構成要素の使い分けとマネージド/OSS の境界を問うシナリオ問題に挑戦しましょう。

関連レッスン

  • ReAct パターン・推論分解・モデルアンサンブル(pro-agents-react)
  • 停止条件・タイムアウト・Human-in-the-loop(pro-agents-guarded)
  • MCP サーバー・OpenAPI によるツール拡張(pro-agents-mcp)