AWS Certified Generative AI Developer - Professional 資格対策コース
ファインチューニングとモデルライフサイクル管理
このレッスンで学ぶこと 対応試験ドメイン D1 タスク 1.2.4(モデルのカスタマイズとライフサイクル管理)。Amazon Bedrock のカスタマイズと Amazon SageMaker AI・SageMaker Model Registry を使い、ファインチューニングしたモデルのバージョン管理・デプロイ・ロールバックを安全に回す運用判断を身につけます。試験で問われるのは高度な ML 技術ではなく、ライフサイクルの設計判断です。
解説
ファインチューニングは「モデルを賢くする魔法」ではなく、作ったモデルをどうバージョン管理し、安全にデプロイし、問題時に戻すかという運用が本題です。資格試験でも、カスタマイズ技術そのものよりライフサイクル管理の判断が問われます。
カスタマイズの選択肢
| 手段 | 概要 | 向くケース |
|---|---|---|
| プロンプトエンジニアリング | プロンプトだけで挙動を調整 | まず最初に試す。低コスト |
| RAG(検索拡張生成) | 外部知識を検索して文脈に注入 | 最新・社内固有の知識を反映したい |
| ファインチューニング | 学習データでモデルを追加学習 | 独自トーン・形式・ドメインを定着させたい |
ファインチューニングは最後の手段です。LoRA(Low-Rank Adaptation)は、元モデルの重みをほぼ凍結し小さな差分行列だけを学習する効率的な手法で、計算コストとストレージを抑えられます。試験では LoRA の数式ではなく「効率的に追加学習する手法」という位置づけを押さえれば十分です。
Amazon SageMaker Model Registry でバージョン管理
カスタマイズしたモデルは Amazon SageMaker Model Registry にモデルパッケージとして登録します。バージョンを採番し、承認ステータス(Approved / Rejected)を付け、承認されたバージョンだけを本番デプロイに進めます。これがライフサイクル管理の中心です。
Python
import boto3
sm = boto3.client("sagemaker")
# モデルパッケージを Model Registry に登録(承認待ち状態)
sm.create_model_package(
ModelPackageGroupName="genai-finetuned-models",
ModelApprovalStatus="PendingManualApproval",
InferenceSpecification={
"Containers": [{"Image": "<inference-image-uri>", "ModelDataUrl": "<s3-model-artifact>"}],
"SupportedContentTypes": ["application/json"],
"SupportedResponseMIMETypes": ["application/json"],
},
)デプロイとロールバック
承認済みバージョンを SageMaker エンドポイントへデプロイします。安全なデプロイには カナリアや段階的(blue/green)デプロイを使い、問題が出たら前の承認済みバージョンへロールバックします。Model Registry にバージョンと承認履歴が残るため、どこへ戻すかが明確です。Amazon Bedrock 上のカスタマイズモデルも、検証してから本番ルーティングへ載せ替える同じ考え方で運用します。
試験で問われるポイント
- 「最新・社内固有の知識を反映したい」は RAG、「独自トーンや形式を定着させたい」は ファインチューニング。この使い分けは頻出。まずプロンプト → RAG → 最後にファインチューニングの順で検討する判断が問われる
- SageMaker Model Registry(モデルのバージョン・承認管理)と Amazon ECR(コンテナイメージのレジストリ)は似て非なるもの。モデルパッケージのバージョン管理・承認・ロールバックは Model Registry、コンテナイメージの保管は ECR
- ファインチューニングは試験範囲だが、問われるのはライフサイクル(バージョン管理・デプロイ・ロールバック・Model Registry)の判断であり、学習アルゴリズムの内部ではない
- 試験で問われるのは AWS のどの仕組みでモデルを安全に運用するかである
サービスの使い分け早見表
| やりたいこと | 使うもの | 混同しやすいもの |
|---|---|---|
| カスタマイズモデルのバージョン・承認管理 | Amazon SageMaker Model Registry | Amazon ECR(コンテナイメージの保管が役割) |
| 最新・社内固有の知識を反映 | RAG(Knowledge Bases 等) | ファインチューニング(トーン・形式の定着向き) |
| 効率的に追加学習する | LoRA などの効率的手法 | フルファインチューニング(高コスト) |
まとめ
モデルカスタマイズは、プロンプト → RAG → ファインチューニングの順で検討し、ファインチューニングするなら LoRA など効率手法を使い、Amazon SageMaker Model Registry でバージョンと承認を管理し、段階的デプロイとロールバックで安全に運用することが核心です。試験ではこのライフサイクル判断が問われます。
次のステップ
次のクイズレッスンで、本番形式のシナリオ問題に挑戦してモデルライフサイクル管理の判断力を確認しましょう。
関連レッスン
- Amazon Bedrock の基盤モデル選定(pro-fm-selection)
- ベクトルストア設計とメタデータ・同期(pro-vector-store-design)
- FM デプロイ戦略と LLM 特有のデプロイ課題(pro-deploy-strategies)