AWS Certified Generative AI Developer - Professional 資格対策コース
GenAI ソリューション設計と AWS Well-Architected GenAI Lens・標準化コンポーネント
このレッスンで学ぶこと 対応試験ドメイン D1 タスク 1.1.1(要件に沿った GenAI ソリューション設計)と 1.1.3(標準化された再利用可能コンポーネントの設計)。AWS Well-Architected Framework の Generative AI Lens を軸に、AWS Well-Architected Tool でレビューを回し、AWS CDK や AWS CloudFormation で再利用可能な基盤を整える設計判断を身につけます。
解説
生成 AI ソリューションも、まずは AWS のアーキテクチャ設計原則に従います。その判断のフレームワークが AWS Well-Architected Framework で、生成 AI 固有の観点を加えたのが Generative AI Lens(GenAI Lens) です。資格試験では「どのモデルがすごいか」ではなく、要件と制約からどう設計判断するかが問われます。
Well-Architected の 6 つの柱と GenAI Lens
Well-Architected Framework は 6 本の柱で構成されます。GenAI Lens は、各柱に生成 AI 特有の観点を追加します。
| 柱 | GenAI Lens で追加される観点 |
|---|---|
| 運用上の優秀性 | モデル評価・プロンプト管理・推論ログの運用 |
| セキュリティ | Amazon Bedrock Guardrails・PrivateLink・データ境界 |
| 信頼性 | クロスリージョン推論・スロットリング対策・フォールバック |
| パフォーマンス効率 | モデル選定・プロビジョンドスループット・キャッシュ |
| コスト最適化 | トークン効率・モデル右サイジング・バッチ推論 |
| 持続可能性 | 推論量に見合うモデルサイズの選定 |
AWS Well-Architected Tool でレビューする
設計を「レビューする仕組み」が AWS Well-Architected Tool です。ワークロードを登録し、選んだレンズ(GenAI Lens を含む)の質問に答えることで、リスクの高い項目(HRI)と改善項目(MRI)が抽出されます。これは設計品質を継続的に点検する運用プロセスであり、一度作って終わりではありません。
標準化された再利用可能コンポーネント
タスク 1.1.3 は「組織で何度も使う基盤を再利用可能な形に標準化する」ことです。AWS では AWS CloudFormation(宣言的テンプレート)と AWS CDK(プログラミング言語で IaC を書く)を使います。VPC、IAM ロール、Amazon Bedrock 呼び出し用 Lambda、ログ基盤などを構成済みのスタックやコンストラクトとして配布し、各チームが再利用します。
Python
# AWS CDK (Python) で Bedrock 呼び出し Lambda を再利用可能なコンストラクト化
from aws_cdk import Stack, aws_lambda as _lambda, aws_iam as iam
from constructs import Construct
class BedrockInvokerStack(Stack):
def __init__(self, scope: Construct, cid: str, **kwargs) -> None:
super().__init__(scope, cid, **kwargs)
fn = _lambda.Function(
self, "BedrockInvoker",
runtime=_lambda.Runtime.PYTHON_3_12,
handler="app.handler",
code=_lambda.Code.from_asset("lambda"),
)
# 認証情報はハードコードせず IAM ロールで Bedrock 権限を付与
fn.add_to_role_policy(iam.PolicyStatement(
actions=["bedrock:InvokeModel", "bedrock:Converse"],
resources=["*"],
))CDK は内部で CloudFormation テンプレートへ合成(synth)されるため、両者は対立する選択肢ではなく抽象度の違いです。手書き YAML より型安全に書きたいなら CDK、宣言的テンプレートをそのまま配布したいなら CloudFormation を使います。
試験で問われるポイント
- 「GenAI 固有の設計観点をフレームワークに沿って評価したい」という要件では、Generative AI Lens を選んで AWS Well-Architected Tool でレビューするのが正解になりやすい。汎用の Well-Architected Tool だけでは GenAI 観点が抜ける
- AWS Well-Architected Tool(レビューの仕組み)と Trusted Advisor(推奨チェックの仕組み)は似て非なるもの。設計品質をレンズの質問で体系レビューするのは Well-Architected Tool、コスト・セキュリティ等のベストプラクティス自動チェックは Trusted Advisor。「GenAI Lens でワークロードを評価」と来たら Well-Architected Tool
- 再利用可能な標準化基盤は CDK / CloudFormation。手作業のコンソール設定や個別スクリプトは標準化・再利用の答えにならない
- 試験で問われるのは AWS のどの仕組みで設計・レビュー・標準化するかであり、一般的なアーキテクチャ論ではない
サービスの使い分け早見表
| やりたいこと | 使うもの | 混同しやすいもの |
|---|---|---|
| GenAI 観点で設計をレビュー | AWS Well-Architected Tool + Generative AI Lens | Trusted Advisor(推奨チェックであり設計レビューではない) |
| 再利用可能な基盤を型安全に IaC 化 | AWS CDK | CloudFormation を手書き YAML で都度作成 |
| 宣言的テンプレートを配布・展開 | AWS CloudFormation | 手動コンソール設定(標準化・再利用に不向き) |
まとめ
GenAI ソリューション設計は、AWS Well-Architected Framework の 6 つの柱に Generative AI Lens の観点を重ね、AWS Well-Architected Tool でリスクを継続的に点検し、AWS CDK や AWS CloudFormation で再利用可能なコンポーネントを標準化することが核心です。試験ではこの判断の流れが繰り返し問われます。
次のステップ
次のクイズレッスンで、本番形式のシナリオ問題に挑戦して GenAI ソリューション設計の判断力を確認しましょう。
関連レッスン
- PoC 検証と本番移行判断(pro-poc-validation)
- Amazon Bedrock の基盤モデル選定(pro-fm-selection)
- モデル切替を可能にする抽象化アーキテクチャ(pro-fm-abstraction)