ネットワークの階層 (OSI 参照モデルと TCP/IP) を説明できますか

通信を役目ごとの段に分けて考える地図の問い。OSI の 7 段と TCP/IP の 4 段の対応、どの段で何が起きるか、つながらないときに下の段から順に疑う使い方まで答えます。

答えてみる

面接官に「ネットワークの階層 (OSI 参照モデルと TCP/IP) を説明できますか」と聞かれたつもりで、答えを見る前に自分の言葉で答えます。

声に出して答えた人は「書かずに答えを見る」で開けます。

解説を読む

聞かれ方から関連するコースまで、この問いの解説を全部ここに置いています。

こう聞かれます

  • 「OSI 参照モデルと TCP/IP モデルを説明してください」
  • 「HTTP、TCP、IP は、それぞれどの層の話ですか」
  • 「サービスにつながらないと言われたら、どこから調べますか」(層の考え方を、裏から聞く形)

面接官が見ている点

  • 層の名前を暗記して並べるだけでなく、なぜ層に分けるのか (役目を分けて、ほかの層を変えずに取り替えられる) を話せるか
  • 知っているプロトコルや機器を、正しい層に置けるか
  • 障害のときに層を道具として使い、下の層から順に切り分ける、と言えるか

短い答え

  • 通信の仕事を役目ごとの段 (層) に分けた地図で、OSI 参照モデルは 7 層、実際のインターネットで使う TCP/IP モデルは 4 層に分けます。
  • 下から順に、線や電波で隣の機械へ届ける層、IP で遠くの機械まで届ける層、TCP や UDP でどのプログラムへどう届けるかを決める層、HTTP のようにアプリが使う約束の層、と重なっています。
  • 層に分けるおかげで、たとえば Wi-Fi を有線に替えても HTTP の側は変えずに済みます。障害のときも、下の層から順に疑うと切り分けが速くなります。

少し詳しい答え

2 つのモデルの対応

OSI 参照モデルは、考えるための細かい地図です。TCP/IP モデルは、実際に動いている仕組みに合わせた大まかな地図です。 OSI は下から、1 物理層、2 データリンク層、3 ネットワーク層、4 トランスポート層、5 セッション層、6 プレゼンテーション層、7 アプリケーション層の 7 つです。TCP/IP の 4 つの層に、かっこの中の OSI の番号がおおよそ当たります。

TCP/IP の層例
アプリケーション層 (7、6、5)HTTP、DNS、SSH
トランスポート層 (4)TCP、UDP、ポート番号
インターネット層 (3)IP、ルーター
リンク層 (2、1)イーサネット、Wi-Fi、スイッチ

いちばん下のリンク層は、ネットワークインターフェース層とも呼ばれます。

面接では、OSI の 5 層と 6 層を細かく言えるかより、「実際の話は TCP/IP の 4 層でしている」「L4、L7 のような呼び方は OSI の番号から来ている」と分かっているほうが役に立ちます。

どの層で何が起きるか

  • リンク層同じ線や同じ Wi-Fi の中で、隣の機械へデータを届けます。スイッチはここで働きます
  • インターネット層 IP アドレスを見て、いくつものネットワークをまたいで宛先の機械まで運びます。どの道を通るかはルーターが決めます
  • トランスポート層ポート番号で、機械の中のどのプログラムへ渡すかを決めます。TCP なら届いたかの確かめや順番もここで扱います
  • アプリケーション層 HTTP の GET や POST のような、アプリどうしの約束です

送るときは、上の層のデータに下の層が自分の宛名 (ヘッダー) を足して包みます。受け取った側は下の層から順に包みを開きます。手紙を封筒に入れ、さらに小包の箱に入れて送るのに似ています。

仕事でもこの番号はよく出てきます。ロードバランサーの「L4」は IP アドレスとポート番号 (TCP や UDP) を見て振り分ける物、「L7」は HTTP の URL やヘッダーまで見て振り分ける物を指します。

つながらないときは下の層から

障害のときは、下の層から順に確かめると、どこまで届いているかが分かります。

ターミナル

# インターネット層 IP で相手の機械まで届くか
ping example.com
# トランスポート層 相手のポートが開いているか
nc -vz example.com 443
# アプリケーション層 HTTP の答えとステータスコード
curl -I https://example.com

ping が通るのに curl が失敗するなら、機械までは届いていて、ポートかアプリの側に原因があると絞れます。逆に名前から IP アドレスが引けないなら、DNS の段で止まっています。ただし ping を返さない設定のサーバーもあるので、1 つの結果だけで決めつけず、いくつかの層の結果を合わせて判断します。

作った物と結ぶなら、自分が関わったサービスで「どの層の問題だったか」を 1 つ用意します。たとえば「サーバーは動いていたが、ファイアウォールで 443 番が閉じていて、トランスポート層で止まっていた」のような架空の形で話せます。

層の地図の弱点

層の地図はきれいに分かれていますが、実際の仕組みはまたがる物もあります。TLS は TCP とアプリの間に入るので、どの層かは説明によって違います。HTTP/3 は UDP の上に QUIC を載せ、TCP の役目をアプリに近い側で作り直しています。だから「この仕組みは必ずこの層」と言い切るより、「おおよそこの層の役目」と話すほうが安全です。細かい対応が要らない場面では、TCP/IP の 4 層だけで話すほうが伝わりやすくなります。

よくある間違い

  • 層の名前を上から言えれば十分だと思う何のために分けるのか、自分の作った物のどこがどの層かを話せないと、深掘りで詰まります
  • IP アドレスとポート番号を同じ層の話にする IP アドレスはインターネット層、ポート番号はトランスポート層の話です
  • 障害のときに、いきなりアプリのコードを疑う名前が引けるか、機械まで届くか、ポートが開いているかを先に確かめると、無駄な調べが減ります

深掘りの問い

  • 「ルーターとスイッチは何が違いますか」 スイッチは同じネットワークの中で隣の機械へ届け、ルーターは IP アドレスを見てネットワークの間をつなぐ、と層に結んで答えます
  • 「L4 と L7 のロードバランサーは何が違いますか」 L4 は IP アドレスとポート番号 (TCP や UDP) を見て振り分け、L7 は URL やヘッダーを見て振り分けられる、と答えます
  • 「なぜ層に分けるのですか」役目を分けると、ある層の中身を替えてもほかの層を変えずに済み、作る人も役目ごとに分かれて考えられる、と答えます

確認日 2026年10月24日

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