AIへの指示の出し方:プロンプト入門
良いプロンプトと悪いプロンプトの違い:具体例で学ぶ改善ポイント
「短くまとめて」と頼んで、800 字が返ってきた
長い議事録を渡して「短くまとめてください」と頼んだら、800 字の要約が返ってきた。よくある失敗です。AI が指示を無視したわけではありません。「短く」が何文字なのかを誰も決めていないので、AI が自分で決めただけです。
同じ失敗は、あちこちで起きます。「分かりやすく説明して」と頼んで専門用語だらけの文章が返る。「いくつか案を出して」と頼んで 8 個返ってくる。どれも AI の落ち度ではなく、こちらが決めていないことを AI が代わりに決めているだけです。
悪いプロンプトとは、情報が足りないプロンプトのことではありません。読む人によって解釈が割れる言葉が残っているプロンプトのことです。丁寧に長く書いてあっても、割れる言葉が混ざっていればそこで結果がぶれます。
割れる言葉を、割れない言葉に置き換える
自分のプロンプトを読み返して、次のような言葉を探してください。どれも解釈が割れます。
| 割れる言葉 | 割れない言い換え |
|---|---|
| 短く / 簡潔に | 200 文字以内で |
| いい感じに | 入社 1 年目の社員が読む前提で |
| 何個か | 3 つ |
| 分かりやすく | 専門用語を使わず、中学生が知っている言葉だけで |
| ちゃんと調べて | 貼り付けた本文の記述だけを根拠にして |
置き換えの型は 1 つだけです。形容詞を、数か基準に変えます。「短く」は数へ、「分かりやすく」は基準へ。どちらにも変えられない言葉が残っていたら、そこが次に外れる場所です。
先ほどの議事録なら、こう書き直します。
プレーンテキスト
以下の議事録を要約してください。
- 読む人は、会議に出ていない他部署の部長
- 決定事項と、まだ決まっていない論点を分けて書く
- 決定事項には担当者と期限を必ず入れる
- 箇条書き、全体で 10 行以内
【議事録】
(本文)字数ではなく行数にしてあるのは、そのほうが守られやすいからです。
具体的にしすぎると、逆に外れる
とはいえ、制約は足せば足すほど良くなるわけではありません。条件を 10 個も 15 個も並べると、AI は全部を同時には満たせず、後ろのほうの条件から落としはじめます。「詳しく書いて」と「100 文字以内」のように、自分で気づかないまま矛盾する条件を両方書いてしまうことも起きます。
矛盾は、離れた場所に書くと気づきません。「専門用語を使わないで」と冒頭に書き、「技術的な根拠も添えて」と最後に書く。読み返すと矛盾していますが、書いているときは両方とも正しく見えます。条件は 1 か所にまとめて並べると、この手の食い違いが目で見つかります。
目安として、条件は 5 つ前後までにしてください。そのうえで、5 つのうちどれが絶対に外せない条件かを、自分で分かっている状態にしておきます。守られなかったときに「担当者と期限だけは必ず入れてください」と追加で押せるからです。全部を等しく大事にすると、どこから直せばよいか分からなくなります。
復習ミニクイズ
レッスンで紹介された「良いプロンプトの4大要素」に基づき、AIに業務の依頼をする際、最も回答の精度を高める方法はどれでしょうか?