AIへの指示の出し方:プロンプト入門
【最終課題】既存プロンプトの改善レポートを作成する
プロンプトを直して、うまくいった。半年後、別の仕事で似たことが起きたときに、そのとき何をどう直したのかを思い出せない。手元に残っているのは完成したプロンプトだけで、そこに至った理由はどこにも書いていない。
最終課題は、これを防ぐためのものです。直した結果ではなく、直した過程を残します。
題材は、いちばん多く使っている依頼から選ぶ
うまくいかなかったプロンプトを探す必要はありません。むしろ、毎週のように使っているのに、毎回どこかを手直ししてから使っているもの。そこがいちばん効きます。
会議の議事録をまとめさせる依頼、定例の報告メール、問い合わせの返信案。回数が多いぶん、直したときの効果も、記録の価値も大きくなります。
避けたほうがよいのは、一度きりの調べもののように、二度と同じ形では使わない依頼です。直しても比べる機会が来ないので、レポートの 6 番が埋まりません。同じ理由で、まだ一度も使っていない架空の題材も向きません。実際に困った回数が多いものほど、書くことが具体的になります。
レポートに立てる 6 つの見出し
書く内容は、次の 6 つに分けて並べてください。中身は自分のプロンプトで埋めます。
- どの仕事のプロンプトか — 何のために、どのくらいの頻度で使っているか
- 直す前のプロンプト — 手を入れる前の文面をそのまま残す
- 何が不満だったか — 3 つまで。一つずつ、一文で書く
- どこが原因だったか — 指示、文脈、制約のどれが足りなかったか
- 直した後のプロンプト — 変えた箇所が分かるようにする
- どう変わったか — 数えた結果と、残っている課題
3 番と 4 番が、このレポートの中心です。ここが「なんとなく物足りない」で止まっていると、残りをどれだけ丁寧に書いても、次に使える記録にはなりません。
「良くなった」を、言い切れる形で書く
6 番を印象で書くと、レポート全体が感想文になります。前後のプロンプトをそれぞれ 10 回動かし、自分で決めた条件を守れた回数を数えて並べてください。
数え方は、自分の用途に合わせて 2 つか 3 つで足ります。議事録なら、決定事項と担当者と期限がそろっていた回数。報告メールなら、指定した文字数に収まった回数。「読みやすくなった」ではなく「10 回中 4 回だった形式の維持が、10 回中 10 回になった」と書けたとき、この記録は他人にも渡せるものになります。
残っている課題も、遠慮せずに書いてください。全部が解決したレポートより、「形式は安定したが、事実の取り違えは減っていない」と書いてあるレポートのほうが、次に読む自分の役に立ちます。
分量は 1 ページで足ります。長く書くことが目的ではなく、半年後の自分が 3 分で読み返せることが目的だからです。プロンプト本体と同じ場所に置き、そのプロンプトを次に直したときは、下に 1 行だけ追記していってください。それだけで、使い捨ての文面が積み上がる記録に変わります。
復習ミニクイズ
プロンプト改善のプロセスにおいて、最初のステップである「現状分析と問題の特定」を行う最大の目的は何ですか?