ゆめさくエンジニア研究所
講師インタビュー2026.08.2615分で読めます

ゆめさくエンジニア講師インタビュー──「わかる」で止めない授業。生田 講師が答えより先に「なぜ」を話す理由

ゆめさく研究所 編集部

文系から現場に入った講師が、書き方だけを教えない理由を話しています。動かないときにどこまで動いているかを切り分ける手順は、覚えれば誰でもできるという話も。

目次9項目
  1. 香川の文系大学生が、表参道でエンジニアのインターンを始めるまで
  2. 教育向けと営業支援、2つのSaaSプロダクトの現場へ
  3. 教えるとき・サポートするときに大事にしている5つのこと
  4. ① 「なぜ」を丁寧に紐解く
  5. ② 難しいことほど、シンプルに伝える
  6. ③ 一度に伝えすぎない
  7. ④ 「わかる」を「できる」に変える
  8. ⑤ エンジニアリングを通して、問題解決の考え方を身につけてもらう
  9. さいごに、受講を迷っている方へ

香川の文系大学生が、表参道でエンジニアのインターンを始めるまで

田中まほ
田中まほゆめさく広報
本日はよろしくお願いします。まずは、生田さんのこれまでの経歴を教えていただけますか?
生田講師
生田講師
よろしくお願いします。出身は香川で、大学は文系でした。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
意外です。理系ではないんですね。
生田講師
生田講師
ないんです。なので、最初からプログラミングをやっていたわけではなくて。ただ、ITそのものにはずっと興味があったんですよね。それで、大学在学中に、表参道にあるメディア系の企業でエンジニアのインターンを始めた のが入口でした。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
授業で学んでから、ではなく。
生田講師
生田講師
そうですね。興味があるほうが先で、勉強はあとから追いかけた形です。
生田講師
生田講師
そうですね。学んでから現場に入ったというより、現場で分からないことを潰していった感覚 に近いです。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
文系から入られたことは、いま教える側になって影響していますか?
生田講師
生田講師
かなりあると思います。専門用語で説明されて、まったく頭に入らなかった時期を自分が通っている ので。あのとき何が分からなかったかを、けっこう覚えているんですよね。

教育向けと営業支援、2つのSaaSプロダクトの現場へ

田中まほ
田中まほゆめさく広報
インターンのあとは、どういった開発に関わってこられたんですか?
生田講師
生田講師
大きく2つあって、AIスタートアップで、教育機関向けのBtoB系SaaSプロダクトの開発に携わりました。もう一つが、IT系ベンチャーでの、営業支援SaaSプロダクトの開発です。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
どちらも、業務で使われるサービスですね。
生田講師
生田講師
そうですね。誰かの仕事の中で毎日使われるものなので、作りっぱなしにはできない領域です。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
具体的には、どのあたりを担当されていたんでしょう。
生田講師
生田講師
教育機関向けのほうは、Ruby on Railsという道具でサーバー側の機能を作って、Nuxt.jsという道具で画面側を作っていました。あとは、AIを使ってデータを作ったり整えたりする部分で、指示文(プロンプト)の調整もしていました。
生田講師
生田講師
営業支援のほうは、もう少し幅が広くて。ダッシュボードの画面、サーバー側の機能、画面とサーバーの間に立つ部分、それぞれをCakePHP、Laravel、Go、Expressといった道具で作っていました。画面側はNext.jsとNuxt.jsですね。

開発実績 教育機関向けBtoB系SaaSプロダクト ・Ruby on Railsを用いたAPI開発 ・Nuxt.jsを用いたフロントエンド開発 ・AIを活用したデータ生成・整形処理におけるプロンプトチューニング 営業支援SaaSプロダクト ・CakePHPを用いたダッシュボードの実装 ・Laravel、Goを用いたAPI開発 ・Expressを用いたBFF実装 ・Next.js、Nuxt.jsを用いたフロントエンド開発

田中まほ
田中まほゆめさく広報
名前を聞くだけでも、かなりの数ですね。
生田講師
生田講師
多いんですけど、やっていること自体はそんなに変わらないんですよ。データを受け取って、必要な形にして、画面に出す。言語が変わっても、その骨格の部分は同じ なんです。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
使う道具が変わっても困らない、ということですか。
生田講師
生田講師
慣れは必要ですけど、ゼロからではないですね。新しいものを覚えるというより、知っている構造に当てはめていく感覚です。ここは後半でお話しする5つ目の話にもつながるんですけど、言語や道具は、考え方の上に乗っているだけだと思っていて。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
だから、授業でも道具の使い方だけを教えるわけではない。
生田講師
生田講師
そうですね。使い方だけ覚えると、道具が変わったときに全部やり直しになってしまうので。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
ゆめさくでは、どんな形で関わられているんですか?
生田講師
生田講師
いまは学習サポートがメインです。受講生の方の質問に答えたり、詰まっているところを一緒に見たり、という動き方をしています。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
講義を進める側というより、伴走する側なんですね。
生田講師
生田講師
そうですね。ただ、この立ち位置がいちばん学習のつまずきが見えるんですよ。
生田講師
生田講師
講義は、全体に向けて話すものなので、どうしても平均的な進度に合わせることになります。でも実際に手を動かすと、止まる場所は一人ひとり違う んです。そこに個別に入れるのがサポートの役割かなと。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
実際、どんな質問が多いですか?
生田講師
生田講師
基本的なことから実践的なものまで、幅広いです。やることが漠然すぎる、は多いですね
田中まほ
田中まほゆめさく広報
質問に答えるとき、意識していることはありますか?
生田講師
生田講師
ここからお話しする5つが、まさにそこの話になります。

教えるとき・サポートするときに大事にしている5つのこと

田中まほ
田中まほゆめさく広報
受講生の方に向き合ううえで、大事にしていることを教えてください。
生田講師
生田講師
5つあります。順番にお話ししますね。

① 「なぜ」を丁寧に紐解く

生田講師
生田講師
1つ目は、「なぜそうなるのか」「どういう仕組みなのか」を手厚く伝えること です。
生田講師
生田講師
答えや書き方だけをお伝えするのは、実はいちばん速いんですよ。「ここをこう書けば動きます」で、その場は解決するので。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
でも、そうはされていない。
生田講師
生田講師
はい。その場は動くんですけど、少し違う場面が来たときに、もう一度同じところで止まってしまうので。書き方を覚えた状態と、仕組みが分かっている状態は、見た目が似ているだけで別物なんです。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
違いが出るのは、どんなときですか?
生田講師
生田講師
分かりやすいのはエラーが出たときですね。直し方だけ知っている人は、まったく同じエラーしか直せない んです。少し文面が変わると、もう手が出なくなる。
生田講師
生田講師
逆に、裏側で何が起きているかを一度でも追いかけたことがある人は、初めて見るエラーでも「たぶんこのあたりだろう」と当たりがつけられる。そこの差は、あとになるほど開いていきます。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
「暗記ではなく背景まで」と書かれていたのは、そういう意味ですね。
生田講師
生田講師
そうです。遠回りに見えるんですけど、理由まで一度通しておくと、次から自分で進めるようになるので、結果的には早いと思っています。

② 難しいことほど、シンプルに伝える

生田講師
生田講師
2つ目は、難しい話ほど、噛み砕いて伝えること です。
生田講師
生田講師
エンジニアリングって、正確に説明しようとすればするほど、専門用語が増えていくんですよね。正しいんだけど、聞いている側には何も残らない、という状態になりやすい。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
正確さと分かりやすさが、逆を向いてしまう。
生田講師
生田講師
そうなんです。なので最初はざっくりでいいと思っています。細かい例外は、必要になったときに足せばいいので。先に全体像がないと、正確な説明を置く場所がない んです。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
具体的には、どんな伝え方をされますか?
生田講師
生田講師
現実世界である事例を例えたりしますね。普段料理作る時、わからない料理があったら、少しクックパッドで調べたら〜みたいな例です。

例)非同期処理を説明するとき → 飲食店で注文してから料理を待つ間に、店員さんが別のテーブルを回っている状態にたとえる 例)関数を説明するとき → 「材料を入れると、決まったものが出てくる箱」 例)データベースを説明するとき → よくできた台帳・棚の配置

生田講師
生田講師
たとえ話は完璧である必要はなくて、「あ、そういうことか」と一回イメージが持てれば十分なんです。そこから正確な言葉に寄せていけばいいので。

③ 一度に伝えすぎない

生田講師
生田講師
3つ目は、一度に伝えすぎないこと です。
生田講師
生田講師
質問に答えていると、つい足したくなるんですよ。「ついでにこれも知っておいたほうがいい」「関連してこれも」と。でも、情報を詰め込みすぎると、本当に大切なことが埋もれてしまうんです。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
全部伝えたほうが親切に見えますが。
生田講師
生田講師
見えますよね。ただ、10個伝えて全部あいまいになるより、1個だけ確実に持って帰ってもらったほうがいい と思っています。なので「今日はここだけは覚えて帰ってほしい」というポイントを先に決めるようにしていて。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
先に決めるんですね。
生田講師
生田講師
はい。それが決まると、話さない内容も決まるので。質問への回答も同じで、聞かれたことの周辺まで全部答えると、結局どれが答えだったのか分からなくなるんですよね。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
削った内容は、どうされるんですか?
生田講師
生田講師
捨てているわけではなくて、順番を後ろにしているだけです。先に一本の軸が通っていれば、あとから枝葉を足すのは簡単なんですよ。逆はできないので。

④ 「わかる」を「できる」に変える

生田講師
生田講師
4つ目は、実際に自分で書いて、試行錯誤してもらうこと です。
生田講師
生田講師
説明を聞いて「わかった」と思う瞬間と、自分で書けるようになる瞬間は、けっこう離れているんです。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
講師の画面を見ているときは、簡単に見えますもんね。
生田講師
生田講師
そうなんです。人が書いているのを見ているときって、実は一番できる気になりやすい。でも自分でやると、最初の1行目で止まったりします。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
写経して動いた、というのは「できる」に入りますか?
生田講師
生田講師
半分ですね(笑)。同じものを書いて動くのは、まだ再生に近いので。そこから条件を少し変えてみる、自分の作りたいものに寄せてみる、というところで初めて「できる」に変わっていく感覚があります。
生田講師
生田講師
あと、これは受講生の方に言うと驚かれるんですけど、わざと壊してみるのもおすすめしています。一回壊してみると、そこが何をしていた部分なのかが分かるので。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
詰まっている方には、どう関わりますか?
生田講師
生田講師
すぐには答えを言わないようにしています。詰まっている時間そのものが、あとで効いてくるので。ただ、放置はしません。

⑤ エンジニアリングを通して、問題解決の考え方を身につけてもらう

生田講師
生田講師
5つ目は、技術を身につけることだけをゴールにしないこと です。
生田講師
生田講師
問題を分解する、原因を考える、仮説を立てて試す。エンジニアがふだんやっているのは、結局そういう作業なんですよね。言語や道具はその上に乗っているだけで。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
授業では、どのあたりで出てくる考え方ですか?
生田講師
生田講師
いちばん出るのは、動かないときです。「動きません」という状態って、実はまだ何も分かっていない状態なんですよ。そこから、どこまでは動いていて、どこから動いていないのかを切り分けていく。
生田講師
生田講師
半分に分けて、どちらに問題があるかを見て、また半分に分けて。これを繰り返すと、たいていの不具合は見つかります。この手順は、覚えれば誰でもできます
田中まほ
田中まほゆめさく広報
センスの話ではないんですね。
生田講師
生田講師
ないと思っています。経験があるように見える人は、切り分けが速いだけなので。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
この考え方は、エンジニア以外の仕事でも使えますか?
生田講師
生田講師
使えると思います。というより、そっちのほうが大きいかもしれないとすら思っていて。うまくいかないことを一つの塊で見ずに分解する、思い込みで決めつけずに一回試して確かめる。仕事でも日常でも、やっていることは同じなので。
動かないときは、半分に分けて生田講師の話。動きませんという状態は、まだ何も分かっていない状態。どこまでは動いていて、どこから動いていないのかを切り分けていく。半分に分けて、どちらに問題があるかを見て、また半分に分けて。これを繰り返すと、たいていの不具合は見つかります。「この手順は、覚えれば誰でもできます」「仕事でも日常でも、やっていることは同じ」。3本の帯は模式で、回数は無い。動かないときは、半分に分けて動きませんまだ何も分かっていない状態半分に分けて、どちらに問題があるかを見てどこまでは動いていてどこから動いていないのかまた半分に分けて。これを繰り返すと、たいていの不具合は見つかります「この手順は、覚えれば誰でもできます」「仕事でも日常でも、やっていることは同じ」「」の中は、生田講師の言葉
生田講師の話。
生田講師
生田講師
なので、もし途中で進路が変わったとしても、ここで身につけたものは無駄にならないと思っています。

さいごに、受講を迷っている方へ

田中まほ
田中まほゆめさく広報
最後に、受講を迷われている方へメッセージをお願いします。
生田講師
生田講師
「自分にできるだろうか」と思われている方が多いと思うんですけど、最初から分かっている人はいない ので、そこは心配しなくて大丈夫です。
生田講師
生田講師
ここまでお話ししてきた5つって、書き出してみると全部つながっていて。「なぜ」を話すのも、シンプルにするのも、詰め込まないのも、手を動かしてもらうのも、最後の"自分で解けるようになる"ための順番なんですよね。
生田講師
生田講師
最終的に目指しているのは、私が教えられることを全部覚えてもらうことではなくて、分からないことが出てきたときに、自分で調べて進めるようになってもらうこと です。そこまで行けば、あとはいくらでも伸びていけるので。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
本日は貴重なお話をありがとうございました。
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