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「3ヶ月でエンジニアになれる」という広告を、嘘だとは思っていません。
ただ、あの「なれる」が指しているのは、3段階あるうちの一番低いところです。売る側はそこのつもりで言っていて、買う側はもっと上を想像している。同じ言葉で、まったく違うものを取引しています。
先に断っておくと、これは他社批判ではありません。「できる」という言葉が曖昧なまま売り買いされている、という話です。うちも含めて。
システムの受託開発をしている会社なので、採用する側でもあり、スクールを運営する側でもあります。両方から見える景色で書きます。
「エンジニアになれる」には3つのレベルがある
この分け方は、私が考えたものではありません。うちの受講生の一人が、カウンセリングで話してくれた言葉です。IT企業で3年働いている方が、スクール選びで何に困ったかを、こう説明してくれました。
レベル1 コードが書ける
チュートリアルを完走できて、教材の範囲なら自分で書ける状態です。
ここは3ヶ月あれば十分に届きます。 真面目にやれば2ヶ月で来る人もいます。
ただし、この段階にははっきりした限界があります。教材から一歩外れると止まります。 エラーメッセージが読めない、どこから調べればいいか分からない、要件が言葉で渡された瞬間に手が動かない。「書ける」のであって「作れる」わけではない状態です。
レベル2 小さな副業案件が取れる
要件をヒアリングして、金額を決めて、納期までに納めて、修正対応まで回せる状態です。
ここで初めて、コード以外のものが要ります。見積もりの出し方、仕様の詰め方、契約、納品後の責任範囲。技術の問題が半分、それ以外が半分です。
3ヶ月でここまで来る人もいます。ただし条件があって、前職で「お客様と話して、納期を守る」経験がある人です。営業職や接客業から来た方が、意外にここで強い。技術がゼロから始まった人が3ヶ月でここに来るのは、率直に言って難しいです。
レベル3 現場で戦力として働ける
チームに入って、既存のコードを読んで、レビューを受けて、直して、次の設計を任される状態です。
ここが一番遠いです。理由は、「自分で書く力」より「他人が書いたものを読む力」のほうが要るからです。
実務のコードは教材の10倍から100倍の量があって、書いた人はもういません。設計の意図を読み取って、壊さずに足す。この筋肉は、ゼロから作るチュートリアルでは付きません。
開発会社として履歴書を見る側から言うと、未経験の方について見ているのは、ほぼここの手前です。「レベル3に育ちそうか」を見ています。
3ヶ月で到達できるのは、どこまでか
| レベル | 状態 | 3ヶ月での到達 |
|---|---|---|
| 1 | コードが書ける | 届く |
| 2 | 小さな副業案件が取れる | 前職の経験次第では届く |
| 3 | 現場で戦力として働ける | 基本的に届かない |
つまり「3ヶ月でエンジニアになれる」という広告は、嘘とは限りません。 レベル1のことを「エンジニアになれる」と呼んでいるなら、事実です。
問題は、買う側がレベル3を想像していることです。売る側はレベル1のつもりで、買う側はレベル3のつもり。ここが事故の発生源です。
スクール選びで失敗する人の共通点
「できる」の定義を確認せずに入会している
失敗した話を聞くと、ほとんどがここです。カリキュラムの中身は熱心に比べているのに、ゴールの定義は聞いていません。
言語のラインナップ、受講期間、料金、サポート時間。これらは全部比較しやすいので、みんな比較します。ところが「卒業したとき、私は何ができる状態ですか」は比較しづらいので飛ばされます。飛ばされたまま契約が成立してしまう。
自分のゴールも言語化されていない
もうひとつ、自分の側のゴールが決まっていないことも多いです。
「エンジニアになりたい」だけだと、レベル1でもレベル3でも当てはまってしまいます。「転職したい」なのか「副業で月5万円ほしい」なのか「いまの仕事で使いたい」なのかで、必要な期間はまるで違います。
売る側と買う側の両方が曖昧だと、確認しようがありません。どちらか一方が定義すれば防げる事故です。
経験者ほど、"できる"の定義を気にします
現場を知っている人ほど、この質問をします。理由は単純で、レベル1とレベル3のあいだにどれだけ距離があるかを、体で知っているからです。
自分が入社1年目に何ができなかったかを覚えている。だから「3ヶ月で即戦力」と言われると、逆に警戒する。
未経験の方は、その距離を知りようがありません。だから広告のほうを信じてしまいます。 これは情報格差であって、本人の判断力の問題ではないと思っています。
先ほどの受講生が、うちを選んだ理由がこれでした。
売り文句として用意した言葉ではありません。うちの担当者が、聞かれたから答えただけです。それが決め手になったということは、裏を返せば、他では聞けなかったということだと思っています。
入る前に、この質問をしてください
無料カウンセリングでも、体験授業でも構いません。この一問を、そのまま聞いてください。
卒業したとき、私は「チュートリアルが完走できる」「小さな副業案件が取れる」「現場で戦力になる」のどれになっていますか。
答えの中身より、答え方を見てください。 良い答えは、だいたいこういう形になります。
- レベルを明言する(「レベル2の手前です」など)
- 条件を付ける(「週20時間確保できた場合です」など)
- 個人差に触れる(「前職の経験によって変わります」など)
- 届かない範囲を先に言う(「即戦力までは6ヶ月では厳しいです」など)
逆に、こういう答えが返ってきたら止まってください。
- 「あなた次第です」で終わる。それはそうなのですが、答えになっていません
- 質問に答えず、卒業生の成功事例の話にすり替わる
- 「全部できるようになります」と広く答える
この質問に答えられないということは、卒業時の状態を定義していないということです。定義していないものは、達成したかどうかも判定できません。
うちの答えも、先に書いておきます
同じ質問を、うちにもしてください。答えを先に出しておきます。
18ヶ月かけてレベル3を狙う設計です。6つのフェーズに分けて、基礎から開発、AIまで積みます。AIに入るのは11ヶ月目です。
そして、卒業生がまだ一人もいないので、その設計が達成されたという証明を、私はまだ持っていません。 開講から半年あまりで、18ヶ月コースなので、計算上まだ誰も卒業できていません。
ここまで含めて、比べる材料にしてください。
更新履歴 2026-09-13 公開
※筆者は「ゆめさくエンジニア」の運営代表です。掲載した受講生の声は、本人の許諾を得たインタビューから引用しています。
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- どの職種を目指すのがよさそうか
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