データ分析入門

luagate/data-analysis-ep01-introデータ分析シリーズ Ep.0153データベース・SQL

上から下へ、全 53 枚そのまま並べています。

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データ分析シリーズ Ep.01

データ分析入門

第1回 / 全10回シリーズ 〜数字から物語を読む〜

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データ分析シリーズ Ep.01

このシリーズのゴール

10回を通じて、データを「見る人」から「使う人」へ。実務で意思決定を支えるスキルを身につけます。「なんとなくグラフを作る」から「問いを立て、証拠で答える」への転換がゴールです。

  • データを読み解き、ストーリーとして語れる(数字に意味を与える)
  • 分析の型(5ステップ)を自分の仕事に適用できる
  • ExcelからPythonまで、場面に応じて道具を選べる(適材適所)
  • 数字に騙されず、正しい問いを立てられる(批判的思考)
  • 上司・顧客・チームに「だから、こうすべき」と提案できる
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データ分析シリーズ Ep.01

全10回のロードマップ

今日はここ(第1回)。概論から始まり、徐々に実践・応用へと進みます。各回2時間 × 10回 = 計20時間で、業務で使えるレベルを目指します。

データ分析シリーズ 全10回
基礎編(Ep.01-03)
Ep.01 イントロ(今日)
Ep.02 データの種類・尺度
Ep.03 記述統計・分布
可視化編(Ep.04-05)
Ep.04 グラフの選び方
Ep.05 ダッシュボード設計
実践編(Ep.06-08)
Ep.06 Excel実践
Ep.07 SQL入門
Ep.08 Python/pandas
応用編(Ep.09-10)
Ep.09 仮説検定・A/Bテスト
Ep.10 実務ケーススタディ
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データ分析シリーズ Ep.01

今日の到達目標

2時間後、この3つを自分の言葉で語れるようになっていればOKです。帰宅後の飲み会で友人に説明できるレベルを目指します。

①なぜ今データか
  • 時代背景(データ量・AI)を理解
  • 自社・自業務との接点を言える
  • やらないリスクを説明できる
②分析の5ステップ
  • 全体像を図で描ける
  • 各ステップの役割を説明できる
  • どこでつまずくか予測できる
③データの基礎概念
  • 平均と中央値の違い
  • 相関と因果の違い
  • 良いデータの条件
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今日の流れ

Part 1: なぜデータ分析なのか(20分)

Part 2: データ分析の全体像(25分)

休憩(10分)

Part 3: データとの付き合い方(25分)

Part 4: 道具箱を覗く(20分)

まとめとクイズ(10分)

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データ分析シリーズ Ep.01

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Part 1

なぜデータ分析なのか

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Part 1 なぜデータ分析なのか

データに囲まれた日常

私たちは毎日、知らないうちに大量のデータを生み出し、同時にデータに支えられて生きています。意識していないだけで、すでにデータの恩恵を受けています。

天気予報
  • 観測データ + 予測モデル
  • 1時間後の降水確率は約85%的中
  • 服装・傘・出張判断の根拠
Netflix / YouTube
  • 視聴履歴から次の1本を推薦
  • 滞在時間の約80%はレコメンド経由
  • 年間10億ドル規模の価値を生む
スマホの健康管理
  • 歩数・心拍・睡眠を自動記録
  • 行動変容のフィードバック
  • 医療機関とも連携が進む
オンラインショッピング
  • 検索・購買履歴で価格が変わる
  • 在庫・物流もデータ駆動
  • Amazonの売上3割はレコメンド
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Part 1 なぜデータ分析なのか

世界のデータ量は爆発している

人類が生み出すデータ量(ゼタバイト, ZB)。2010年→2025年の15年で約70倍に。1ZB = 1兆GB。動画・IoT・SNSが主な源泉です。

185 ZB (ゼタバイト)14811174370
2ZB (ゼタバイト)
15ZB (ゼタバイト)
64ZB (ゼタバイト)
181ZB (ゼタバイト)
2010年
2015年
2020年
2025年

出典: 出典: IDC / Statista 2024年推計

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Part 1 なぜデータ分析なのか

データ活用企業は成長が速い

データドリブンな意思決定を定着させた企業ほど、売上・生産性の伸びが大きいという調査結果。特にトップ層は非活用層の5倍以上の成長率を示します。

25 % (年間売上成長率, イメージ)20151050
23% (年間売上成長率, イメージ)
11% (年間売上成長率, イメージ)
4% (年間売上成長率, イメージ)
データ活用トップ層
中間層
非活用層

出典: 出典: 各種調査レポートを元に編集

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Part 1 なぜデータ分析なのか

データ分析でできる3つのこと

分析の目的は大きく3つ。自分の仕事がどこに該当するかを意識すると、使う手法・必要なデータ・かかる時間が見えてきます。

現状把握
  • 今、何が起きているかを見える化
  • 例: 今月の売上トップ商品
  • 手法: 集計・ダッシュボード
  • 所要: 数時間〜数日
原因究明
  • なぜそうなったかを掘り下げる
  • 例: 売上が落ちた理由を特定
  • 手法: セグメント分解・仮説検定
  • 所要: 数日〜数週間
未来予測
  • これから何が起きるかを推定
  • 例: 来月の需要予測
  • 手法: 時系列・機械学習
  • 所要: 数週間〜数ヶ月
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Part 1 なぜデータ分析なのか

業界別 データ活用の実例

「うちの業界では関係ない」は幻想。どの業界でも、既に競合はデータで戦っています。自分の業界の事例を頭に入れておきましょう。

業界
活用例
インパクト

小売

需要予測・在庫最適化

欠品・廃棄 30-50%削減

金融

与信スコア・不正検知

審査時間 1週間→10秒

製造

予知保全(故障予測)

ダウンタイム 40%減

医療

画像診断・再入院予測

診断精度が専門医並み

スポーツ

選手評価・戦術分析

NBA・MLBで標準装備

教育

学習進度の個別最適化

脱落率を 20%改善

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Part 1 なぜデータ分析なのか

勘と経験 vs データドリブン

データドリブンは勘を否定するものではありません。勘の精度を上げ、再現性を持たせるのが目的。ベテランの勘 + データで最強になります。

勘と経験だけ

  • ベテランの退職とともに知見が消える
  • 属人化して横展開できない
  • 判断の根拠を説明しづらい
  • 新人の育成に5-10年かかる
  • 同じ失敗を繰り返す

データ + 経験

  • 判断基準が組織で共有される
  • 新人でも同じ水準で判断できる
  • 意思決定に説明責任を持たせられる
  • 失敗が資産として蓄積される
  • 勘の「勝率」を検証できる
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In God we trust. All others must bring data.

W. Edwards Deming

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Part 1 なぜデータ分析なのか

ミニ演習①

3分間、手元のメモに書き出してみてください。終わったら隣の人と2分間シェアします。正解はありません、「気づき」が目的です。

  • あなたの身の回りにある「データ」を3つ挙げてください
  • そのデータは誰が、何のために集めていますか?
  • そのデータが無かったら、どんな不便が起きますか?
  • ボーナス: そのデータは誰の利益になっていますか?(自分?企業?)
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データ分析シリーズ Ep.01

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Part 2

データ分析の全体像

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Part 2 データ分析の全体像

分析の5ステップ

どんなに高度な分析も、この5ステップの組み合わせ。迷ったらこの図に戻る。特に①②で8割が決まり、④⑤で価値が生まれます。

①目的設定
②データ収集
③データ加工
④分析・可視化
⑤活用・意思決定
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Part 2 データ分析の全体像

①目的設定 — 問いを立てる

分析の成否の8割はここで決まります。「売上を上げたい」では弱い。もっと具体的な問いに落とし込みます。良い問いは答えを半分含んでいる、とも言われます。

  • 悪い例: 売上を分析したい(漠然としすぎ)
  • 良い例: 新規顧客のリピート率が落ちた原因を、商品カテゴリ別に特定したい
  • 問いは SMART(具体的・測定可能・達成可能・関連性・期限)で
  • 問いが無いとデータに溺れて何も出てこない
  • コツ: 「決めたいこと」から逆算して問いを作る
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Part 2 データ分析の全体像

②データ収集 — どこから集めるか

データの出どころは大きく3つ。社内に眠っているデータをまず棚卸しするのが第一歩。買う前に、社内にないか徹底的に探すのが鉄則です。

  • 一次データ: 自社で集める(POS, アクセスログ, アンケート)
  • 二次データ: 公開データ(e-Stat, 世界銀行, 業界レポート)
  • 購入データ: 調査会社から買う(消費者パネル等、数十万〜)
  • Webスクレイピング: 公開情報を自動収集(規約に注意)
  • 落とし穴: 目的に合わないデータを集めても意味がない
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Part 2 データ分析の全体像

③データ加工 — 汚いデータを綺麗に

現場のデータは8割が「汚い」と言われます。分析より加工の方が時間がかかるのが普通で、データサイエンティストの業務時間の60-70%がここに費やされます。

加工前(生データ)

  • 表記ゆれ: 東京都 / 東京 / とうきょう / Tokyo
  • 欠損値: 年齢が空欄の行が15%混在
  • 重複: 同じ顧客が複数行
  • 型違い: 金額に「円」や「,」が混ざる
  • 外れ値: 入力ミスで年齢999歳の人

加工後(整形済み)

  • 表記統一: 全て「東京都」
  • 欠損処理: 中央値補完 or 除外ルール決定
  • 重複排除: 顧客ID単位で1行
  • 型変換: 数値型に統一(int64)
  • 外れ値除去: 範囲外は別扱い or 除外
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Part 2 データ分析の全体像

④分析手法の4タイプ

分析は難易度と価値の順に、この4段階に整理できます。下ほど高度で、意思決定への影響も大きい。ただし現場の8割は①②で十分な価値が出ます。

記述的分析
  • 何が起きたか (What)
  • 例: 先月の売上ランキング
  • ツール: Excel / BI
  • 全分析の約50%
診断的分析
  • なぜ起きたか (Why)
  • 例: 売上減の原因分解
  • ツール: SQL / pivot
  • 全分析の約30%
予測的分析
  • 何が起きそうか (What if)
  • 例: 需要予測モデル
  • ツール: Python / ML
  • 全分析の約15%
処方的分析
  • 何をすべきか (How)
  • 例: 最適価格の自動提案
  • ツール: 最適化アルゴリズム
  • 全分析の約5%
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Part 2 データ分析の全体像

実例 — カフェ売上分析のストーリー

5ステップが実際にどう流れるか。架空のカフェを題材にシミュレーション。現場ではこのサイクルを2-4週間で1周させるのが目安です。

①目的

平日午後の売上が低い。改善策を決めたい。目標: 3ヶ月で+15%。

②収集

POSデータ 3ヶ月分 + 天気 + 曜日 + 近隣イベント情報を結合。

③加工

時間帯別30分刻みに集計。欠損日を除外。天気カテゴリを5段階化。

④分析

14-16時が特に低い。雨の日はさらに -30%。学生街で夏休みも影響大。

⑤活用

雨の日限定ドリンク半額クーポン + 学生向けLINE配信で検証。

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Part 2 データ分析の全体像

分析プロジェクトで出てくる用語

会議でいきなり飛び交う言葉。全部完璧に覚えなくてOK、雰囲気が掴めれば十分です。

KPI / CVR / LTV / CAC

KPI = Key Performance Indicator(重要業績指標)。CVR = Conversion Rate(購入率など)。LTV = Life Time Value(顧客生涯価値)。CAC = Customer Acquisition Cost(顧客獲得コスト)。LTV > CAC であればビジネスは成立、が基本公式。

KPI / CVR / LTV / CAC
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Part 2 データ分析の全体像

ミニ演習②

次の課題は、4タイプ(記述/診断/予測/処方)のどれに該当するでしょうか? 隣の人と相談して決めてください。答え合わせは後ほど。

  • A: 去年の年間売上を地域別にまとめたい → ?
  • B: 退会率が上がった理由を知りたい → ?
  • C: 来月の在庫を何個用意すべきか決めたい → ?
  • D: 顧客ごとに最適な広告を自動で出したい → ?
  • E: 競合の新商品発売後、自社シェアがどう動いたか見たい → ?
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"

頭のリセットも、データ分析の一部。

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データ分析シリーズ Ep.01

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Part 3

データとの付き合い方

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Part 3 データとの付き合い方

データとは / 情報とは

よく混同される2つの言葉。分析では「データ」を「情報」に、さらに「知識」「知恵」へと変換するプロセスが仕事になります。この階層を DIKW ピラミッドと呼びます。

データ (Data)

観測・計測された事実そのもの。単独では意味を持たない。

例: 「25」「東京」「2026-04-24」といった素の値

情報 (Information): データを文脈で束ねたもの

例: 「東京在住の25歳のユーザーが2026-04-24に登録した」

知識 (Knowledge): 情報のパターンや因果

知恵 (Wisdom): 知識を使って意思決定する力

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Part 3 データとの付き合い方

定量データ vs 定性データ

データは大きく2種類。両方を組み合わせることで、数字の背景にある理由が見えてきます。定量だけでも、定性だけでも片手落ち。

観点
定量データ
定性データ

性質

数値で測れる

言葉・意味で表す

売上・人数・時間

インタビュー・レビュー

強み

集計・比較しやすい

背景・感情を掴める

弱み

なぜ?が分からない

集計しにくい

分析手法

統計・機械学習

テキストマイニング

サンプル数

多いほど良い(数百〜)

少数でも深く(5-20人)

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Part 3 データとの付き合い方

データの3つの形

データは「どれだけ整っているか」で3種類に分けられます。非構造化データは全体の約80%とも言われ、これを扱える企業が強い時代に。

構造化データ
  • 表形式(行×列)
  • 例: Excel, DB, CSV
  • 割合: 約20%
  • 扱いやすいが限界あり
半構造化データ
  • ある程度の規則あり
  • 例: JSON, XML, ログ
  • 割合: 約10%
  • APIで頻出
非構造化データ
  • 規則なし・重い
  • 例: 画像, 音声, 自由記述
  • 割合: 約80%
  • AI/機械学習で価値化
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Part 3 データとの付き合い方

平均 vs 中央値 — 初学者の罠

どちらも「真ん中」を表す指標ですが、意味が違います。使い分けを間違えると意思決定を誤る典型例。統計の第一関門です。

平均 (Mean) と 中央値 (Median)

平均は合計÷個数、中央値は並べたときの真ん中の値。どちらも代表値だが、分布の形で使い分ける。

平均は外れ値に弱い(大金持ち1人で平均年収が跳ね上がる)

中央値は外れ値に強い(真ん中の人の値だけを見る)

年収・不動産価格など歪む分布は中央値が実態に近い

テスト点数など左右対称な分布なら平均でOK

両方載せるのが安全。差が大きい = 分布が歪んでいる

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Part 3 データとの付き合い方

外れ値が平均を歪める例

ある村の年収データ。1人の大金持ちが混ざると、平均は実態から大きくズレます。メディアの「平均年収◯万円」報道も、この罠にハマっていることがあります。

9000 万円 (年収)72005400360018000
400万円 (年収)
420万円 (年収)
450万円 (年収)
480万円 (年収)
9000万円 (年収)
村人A
村人B
村人C
村人D
大富豪E

出典: 平均=2150万円 / 中央値=450万円 → どちらが実態?

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30
Part 3 データとの付き合い方

相関 ≠ 因果

相関があっても、それが原因とは限りません。第三の変数(交絡因子)や偶然の可能性もあります。現場で最も頻発する誤りの一つです。

  • 例1: アイス売上とプール事故は正の相関(真因は気温)
  • 例2: 読書量と年収に相関(真因は教育歴や家庭環境)
  • 例3: チョコ消費量とノーベル賞受賞率(偶然の相関)
  • 両方の原因になる「第三の変数」を交絡因子と呼ぶ
  • 因果を証明するにはA/Bテストや自然実験が必要
  • 実務で「相関だけで施策を打つ」は赤信号
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Part 3 データとの付き合い方

統計でよく騙される3パターン

分析結果を聞く側としても、この3つは知っておくと騙されにくくなります。広告・ニュース・社内報告にも頻出します。

サンプルの偏り
  • 例: Twitter調査で「国民の声」
  • 母集団を代表していない
  • 確認: 誰に聞いたか
グラフの印象操作
  • Y軸が0から始まらない
  • 3Dで遠近感を強調
  • 確認: 軸の目盛り
都合のいい切り取り
  • 期間を恣意的に選ぶ
  • 都合の悪い変数を隠す
  • 確認: 全体像を求める
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Part 3 データとの付き合い方

良いデータ / 悪いデータ

同じ質問でも、データの質が低いと分析結果はゴミになります。"Garbage in, garbage out" は鉄則。データ収集の段階で9割決まります。

良いデータの条件

  • 目的に合っている
  • サンプルに偏りが少ない
  • 記録が一貫している
  • 取得時期・定義が明確
  • 量・質・鮮度が揃っている

悪いデータの兆候

  • 定義がバラバラ(売上=税込?税抜?)
  • 取得期間が短すぎる(1週間だけ等)
  • サンプルが偏っている(特定店舗のみ)
  • 欠損・重複が放置されている
  • 更新が止まっている(1年前のデータ)
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"

Garbage in, garbage out.

古典的なCS格言

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Part 3 データとの付き合い方

ミニ演習③

次の状況で、平均と中央値のどちらを使うべきか、理由とセットで答えてください。即答できれば、今日の内容は身についています。

  • A: クラス30人のテスト結果を報告する → ?
  • B: 日本全体の世帯年収を一言で表す → ?
  • C: サイトの平均滞在時間(大半は10秒、一部は10分)→ ?
  • D: 工場の製品重量(誤差±1%の正規分布)→ ?
  • E: ホテル1泊の値段(1万〜100万円まで幅広い)→ ?
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データ分析シリーズ Ep.01

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Part 4

道具箱を覗く

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Part 4 道具箱を覗く

主要ツール比較

ツールに優劣はありません。扱うデータ量と目的で選びます。まずはExcelから、物足りなくなったら次へ。全部学ぶ必要はありません。

ツール
得意領域
難易度
データ量
料金

Excel

小規模集計・グラフ化

★☆☆

〜100万行

有料(月1,500円〜)

Google スプレッドシート

共同編集・軽量集計

★☆☆

〜1,000万セル

無料

SQL

DBからの抽出・集計

★★☆

数億行

無料(DB次第)

Python/pandas

自動化・統計・機械学習

★★★

制限なし

無料

Tableau / Looker Studio

ダッシュボード共有

★★☆

中〜大

無料〜月7,000円

R

統計解析・学術系

★★★

中〜大

無料

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Part 4 道具箱を覗く

分析手法の分類

学ぶ順番としては、まず可視化と記述統計から。機械学習はその先の世界。初学者は左から順に潰していくのが王道です。

分析手法
記述統計
平均・中央値
分散・標準偏差
相関係数
パーセンタイル
可視化
棒グラフ
折れ線
散布図
ヒートマップ
箱ひげ図
推測統計
仮説検定
信頼区間
A/Bテスト
回帰分析
機械学習
回帰
分類
クラスタリング
深層学習
38
38
Part 4 道具箱を覗く

Excelでどこまでできるか

「Excelは卒業すべき」という言説がありますが、実務の多くはExcelで十分。世界の分析業務の7割はまだExcelという調査も。無理に高度なツールに飛ばなくてOK。

  • ピボットテーブル: 集計の9割はこれで済む
  • VLOOKUP / XLOOKUP: マスタとの突合
  • グラフ機能: 報告用の可視化
  • Power Query: 大量データの前処理(実は強力)
  • 限界: 100万行超、複雑な条件分岐、再現性、チーム共有
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39
Part 4 道具箱を覗く

SQLの雰囲気を掴む

SQLは「データベースに対する質問文」。英語に近い構文で、読めるようになるのは意外と簡単。データ職なら必修、非エンジニアでも学ぶ価値大。

sql
-- 先月の売上トップ5商品を取得
SELECT
  product_name,
  COUNT(*)        AS order_count,
  SUM(amount)     AS total_sales,
  AVG(amount)     AS avg_sales
FROM orders
WHERE ordered_at >= '2026-03-01'
  AND ordered_at <  '2026-04-01'
GROUP BY product_name
ORDER BY total_sales DESC
LIMIT 5;
40
40
Part 4 道具箱を覗く

Pythonの雰囲気を掴む

pandasというライブラリを使えば、SQLと似たことを数行で書けます。CSVを読んで集計する例。自動化・機械学習に進むなら必須の言語です。

python
import pandas as pd

# CSVを読み込む
df = pd.read_csv('orders.csv', parse_dates=['ordered_at'])

# 先月分を抽出して集計
mask = (df['ordered_at'] >= '2026-03-01') & (df['ordered_at'] < '2026-04-01')
last_month = df[mask]

top5 = (
    last_month
    .groupby('product_name')
    .agg(order_count=('amount', 'count'),
         total_sales=('amount', 'sum'),
         avg_sales=('amount', 'mean'))
    .sort_values('total_sales', ascending=False)
    .head(5)
)
print(top5)
41
41
Part 4 道具箱を覗く

典型的な分析環境

現代の分析環境はこの3層構成が基本。データが流れる道筋を頭に入れておきましょう。今日はまだ触らなくてOK、Ep.07以降で実際に使います。

データソース層

業務システム (ERP/CRM)

Webログ (GA4)

外部API

アンケート・IoT

蓄積・加工層

データウェアハウス (BigQuery / Snowflake / Redshift)

ETL / ELT (dbt, Fivetran, Airflow)

活用層

BIダッシュボード (Tableau / Looker)

機械学習モデル (Vertex AI / SageMaker)

レポート・意思決定

42
42
Part 4 道具箱を覗く

キャリアパスの広がり

データ関連の職種は多様化しています。自分の興味と強みから、どの方向に行くか考えてみましょう。兼務も多いですが、役割のグラデーションを把握しておくと便利。

データアナリスト
  • 現状把握・示唆出し
  • SQL + BI + Excel
  • 年収: 500-900万円
データエンジニア
  • 基盤構築・ETL
  • SQL + Python + クラウド
  • 年収: 700-1400万円
データサイエンティスト
  • 機械学習・予測
  • Python + 統計 + 数学
  • 年収: 800-1800万円
ビジネスアナリスト
  • 業務改善提案
  • ドメイン知識 + 分析
  • 年収: 500-1000万円
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Part 4 道具箱を覗く

次回以降のラインナップ

今日の知識を前提に、次回からは手を動かすパートが増えていきます。各回で小さな成果物(グラフ・レポート・コード)を作っていきます。

Ep.02-03
  • データの尺度水準
  • 記述統計を使いこなす
  • 分布の形を読む
Ep.04-05
  • 目的に合うグラフ選択
  • ダッシュボード設計
  • ストーリーテリング
Ep.06-08
  • Excel/SQL/Python実践
  • 自動化の第一歩
  • 小さなアプリ作成
Ep.09-10
  • A/Bテスト・仮説検定
  • 実務ケース演習
  • 最終発表
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データ分析シリーズ Ep.01

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まとめとクイズ

今日の学びを定着させましょう

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まとめとクイズ
クイズ

総合クイズ①

今日の内容から1問目。少し考えてから次のスライドへ進んでください。

ある村の年収データの代表値を1つだけ報告するとき、ベゾス級の富豪が1人混ざっています。最も実態を表すのはどれ?

A
平均値
B
中央値
C
最大値
D
最小値
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46
まとめとクイズ
答え

クイズ①の答え

ある村の年収データの代表値を1つだけ報告するとき、ベゾス級の富豪が1人混ざっています。最も実態を表すのはどれ?

A
平均値
B
中央値
C
最大値
D
最小値

外れ値に強いのは中央値。平均は1人の超富豪に引っ張られて実態から大きく離れてしまいます。「日本の平均貯蓄額」報道もこの罠にハマりがちです。

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まとめとクイズ
クイズ

総合クイズ②

もう1問。相関と因果の関係についての問題です。

「アイスクリームの売上が上がると、水難事故が増える」というデータがあります。最も適切な解釈はどれ?

A
アイスを食べると注意力が下がるから事故が増える
B
水難事故のニュースを見て暑さを感じアイスが売れる
C
気温という第三の変数が両方を引き起こしている
D
偶然の一致でありデータに意味はない
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まとめとクイズ
答え

クイズ②の答え

「アイスクリームの売上が上がると、水難事故が増える」というデータがあります。最も適切な解釈はどれ?

A
アイスを食べると注意力が下がるから事故が増える
B
水難事故のニュースを見て暑さを感じアイスが売れる
C
気温という第三の変数が両方を引き起こしている
D
偶然の一致でありデータに意味はない

正解は③。気温が上がるとアイスが売れ、同時に水に入る人が増えて事故も増える。これを「交絡因子」と呼びます。相関だけで因果を結論づけるのは危険の典型例です。

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49
まとめとクイズ

今日の3つの学び

この3つを同僚に説明できれば、今日の2時間は成功です。明日から、数字の見え方が少し変わるはず。チームのSlackでシェアしてみてください。

分析は5ステップ
  • 目的→収集→加工→分析→活用
  • どの段階にいるかを常に意識
  • ①②で8割が決まる
問いが9割
  • 良い問いが良い分析を生む
  • データより先に問いを磨く
  • SMARTで具体化
数字に騙されない
  • 平均と中央値を使い分ける
  • 相関と因果を混同しない
  • サンプルの偏りを疑う
50
50
まとめとクイズ

今日から始める3つのアクション

知識は使わないと忘れます。明日から2週間、この3つを意識してみてください。小さな実践が次回の学びを加速します。

  • ①自分の業務データを1つ選び、5ステップに当てはめて整理してみる
  • ②社内の報告書・ニュース記事を見るたび「サンプルは? 定義は?」と問う
  • ③ExcelのピボットテーブルをまだならYouTubeで15分だけ触ってみる
  • ④次回までに「分析してみたい問い」を3つメモしてくる(宿題)
  • ⑤本1冊読むなら: 『データ分析の力』『統計学が最強の学問である』
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まとめとクイズ

次回予告 — Ep.02 データの種類

次回はデータの分類をもう一段深く。実務ですぐ使える「尺度水準」という考え方を学びます。今日より少しテクニカルになりますが、ついてこれる内容です。

  • 名義尺度 / 順序尺度 / 間隔尺度 / 比例尺度
  • 尺度によって使える統計量が変わる
  • 簡単なExcelハンズオンあり(PC持参推奨)
  • 宿題: 自分の仕事のデータを尺度で分類してくる
  • 所要時間: 2時間(休憩10分込み)
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データは語らない。問いを持つ者だけが、データを味方にできる。

データ分析シリーズ Ep.01

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