コース一覧
ネットワーク基礎:TCP/IP・HTTP・DNS・CDN
CDN の仕組みと Anycast

ネットワーク基礎:TCP/IP・HTTP・DNS・CDN

ブラウザからサーバーまでデータが届く仕組みを、OSI・TCP/IP、IPとルーティング、TCP/UDP、HTTP/HTTPS、DNS、CDNから体系的に学びます。通信障害や構成選択をプロトコルから考えられるようになります。

1
ネットワークの全体像
0. ネットワークとは8分
1. OSI 7階層モデル10分
2. TCP/IP 4階層モデル9分
3. パケットとフレーム9分
4. ルーター・スイッチ・ハブ9分
2
IP とルーティング
0. IPアドレス (IPv4 / IPv6)10分
1. サブネットマスクと CIDR11分
2. NAT とプライベートIP9分
3. ルーティングと経路選択10分
4. ファイアウォール基礎9分
3
TCP / UDP
0. TCP と UDP の違い9分
1. 3-way ハンドシェイク9分
2. 輻輳制御と再送10分
3. UDP の用途 (DNS / 動画 / ゲーム)8分
4. ポート番号と well-known port9分
4
HTTP / HTTPS
0. HTTP の基本10分
1. HTTP メソッド9分
2. HTTPS と TLS ハンドシェイク10分
3. HTTP/2 と HTTP/3 (QUIC)10分
4. REST API の設計原則10分
5
DNS とドメイン
0. DNS とは8分
1. レコードタイプ10分
2. 名前解決の流れ10分
3. DNS キャッシュと TTL9分
4. CDN の仕組みと Anycast10分
6
応用
0. ロードバランサ (L4 / L7)10分
1. プロキシとリバースプロキシ9分
2. WebSocket とリアルタイム通信9分
3. gRPC と HTTP/2 利用10分

ネットワーク基礎:TCP/IP・HTTP・DNS・CDN

01ネットワークとは
02OSI 7階層モデル
03TCP/IP 4階層モデル
04パケットとフレーム
05ルーター・スイッチ・ハブ
06IPアドレス (IPv4 / IPv6)
07サブネットマスクと CIDR
08NAT とプライベートIP
09ルーティングと経路選択
10ファイアウォール基礎
11TCP と UDP の違い
123-way ハンドシェイク
13輻輳制御と再送
14UDP の用途 (DNS / 動画 / ゲーム)
15ポート番号と well-known port
16HTTP の基本
17HTTP メソッド
18HTTPS と TLS ハンドシェイク
19HTTP/2 と HTTP/3 (QUIC)
20REST API の設計原則
21DNS とは
22レコードタイプ
23名前解決の流れ
24DNS キャッシュと TTL
25CDN の仕組みと Anycast
26ロードバランサ (L4 / L7)
27プロキシとリバースプロキシ
28WebSocket とリアルタイム通信
29gRPC と HTTP/2 利用

ネットワーク基礎:TCP/IP・HTTP・DNS・CDN

CDN の仕組みと Anycast

東京のサーバーに、ブラジルから 1 秒かけてつなぐ

光の速さは変えられません。地球の反対側とやりとりすると、往復するだけで 200 ミリ秒ほど過ぎます。1 ページに数十個のファイルがぶら下がっていれば、待ち時間だけで 1 秒を超えます。サーバーをどれだけ速くしても、この分は縮みません。

縮められるのは、処理時間ではなく距離のほうです。

答えを、世界中にコピーしておく

CDN は、世界各地に置いた配信用のサーバーにファイルの写しを持たせる仕組みです。正本を持つ元のサーバーをオリジン、各地の写しを持つサーバーをエッジと呼びます。

利用者のリクエストは、まず近くのエッジに届きます。エッジがすることは 2 つのうちどちらかです。

  • 写しを持っている場合 — その場で返す。オリジンは何も知らないまま終わる
  • 写しを持っていない場合 — オリジンから取り寄せ、手元に置いてから返す。次の人からは 1 つ目になる

2 人目以降が全員エッジで完結するので、遠さも消えますし、オリジンに届く量も激減します。アクセスが集中したときに落ちにくくなるのは、この副作用のほうです。

裏返すと、置いてはいけないものを置くと事故になります。ログイン後の画面をうっかりエッジに残す設定にすると、次に来た別の人にその写しが配られます。誰に対しても同じ中身になるものだけを置く、というのが最低限の線引きです。人によって変わる応答は、明示的に写しを作らせない指定を付けて返します。

同じ住所が、世界中にある

近くのエッジに届く、と書きましたが、どうやって近くに届くのでしょうか。ここで使われるのが Anycast です。

普通は 1 つの IP アドレスは 1 台のサーバーを指します。Anycast では、まったく同じ IP アドレスを世界中の拠点が同時に名乗ります。経路を決める仕組みが一番近いところを選ぶので、東京から出したパケットは東京の拠点に、ロンドンから出したパケットはロンドンの拠点に届きます。同じ宛先を書いているのに、届く先が場所によって違います。

これは障害のときにも効きます。ある拠点が落ちると、その拠点への経路が自動で引っ込み、パケットは次に近い拠点へ流れます。切り替えの操作をする人も、待ち時間もありません。名前を引き直させて向き先を変える方式と違い、手元に残った古い答えに足を引っ張られないのが強みです。

直したはずのファイルが、まだ古いまま

写しを持つということは、古い写しも持つということです。CSS を直して公開したのに、利用者の画面が変わらない。これは避けようがない副作用で、対処は 2 通りあります。

1 つは、変更のたびにファイル名を変えてしまう方法です。app.4f2a91.css のように中身から作った文字列を名前に混ぜておくと、直した瞬間に別の名前になります。別の名前には写しが無いので、必ずオリジンまで取りに行きます。古い名前のほうは誰も参照しなくなるだけで、消して回る必要もありません。

もう 1 つは、CDN 側にこの URL の写しを捨ててと指示する方法です。名前を変えられない HTML などはこちらを使います。写しは長めに持たせておいて、更新したときだけ捨てる。この組み合わせにすると、エッジで完結する割合を高く保ったまま、反映も速くできます。

このレッスンに出てくる用語

意味があいまいなまま進んだ語は、ここから読み直せます。

  • サーバークライアント(ブラウザなど)がリクエストを送り、サーバーがレスポンスを返す。
  • 処理計算や代入を表す長方形
  • CDN画像やCSSなどの静的ファイルを利用者に近い拠点から配信する仕組み。
  • リクエストWeb 通信の基本単位、ブラウザの問い合わせとサーバーの返答
  • 副作用描画以外の処理(API・タイマー等)の総称
  • CSSCascading Style Sheetsの略。
  • URLページの住所全体
  • HTMLHyperText Markup Languageの略。
生田 陸人
監修生田 陸人
ゆめさくエンジニア / 現役ソフトウェアエンジニア監修者プロフィールを見る →
編集 ゆめさく編集部·公開 2026/05/27·更新 2026/08/26

関連レッスン

  • ロードバランサ (L4 / L7)

    L4 と L7 ロードバランサの違いと使い分けを理解します。

  • DNS キャッシュと TTL

    TTL と DNS キャッシュの仕組み、運用上の注意点を理解します。

  • 名前解決の流れ

    ブラウザに URL を入れてから IP が返るまでの再帰問い合わせを学びます。

  • レコードタイプ

    A / AAAA / CNAME / MX / TXT など主要レコードの用途を学びます。

分からないところは Tap (AI先生) に質問できます

24 時間いつでも、あなたのレベルに合わせて日本語で答えます。

復習ミニクイズ

Anycast の特徴として正しいものはどれですか