3秒でわかる
Retrievalとは、質問に関係する情報を文書群から探し、回答に使う少数の候補として取り出す処理です。RAGでは生成より前に行います。
30秒図解
もう一歩わかる図解
絞り込みと検索の順序
検索(Retrieval)をたとえると?
図書館の蔵書を全部読むのではなく、司書が質問を聞き、関係する数冊と該当ページだけを机へ持ってくる役割に似ています。
実際にはこう使います
もう少し詳しく
Retrievalは、検索クエリを受け取り、索引やデータベースから関連度の高い文書・チャンクを選んで返す情報検索の工程です。
Retrievalとは
Retrievalは、質問に関係する情報を検索対象から取り出す工程です。RAGでは、LLMへ質問だけを渡すのではなく、先にRetrievalで文書やチャンクを選び、その結果を回答材料として渡します。
基本の流れ
検索クエリを作り、検索対象へ問い合わせ、関連度の高い候補を並べ、必要なら絞り込みやリランキングを行います。最後に上位の少数件だけを生成工程へ渡します。
例として、社内規程を1,200チャンクに分けているとします。「有給休暇は何日前までに申請する?」という質問に対し、1,200件すべてをLLMへ渡さず、Retrievalが上位3件を選びます。この上位3件と質問をLLMへ渡して回答を作ります。
検索方法
キーワード検索は、固有名詞や製品番号など文字が一致する検索に強みがあります。ベクトル検索は、表現が異なっても意味が近い候補を探せます。ハイブリッド検索は両方の結果を統合し、語の一致と意味の近さを補い合わせます。
絞り込みとリランキング
検索前後に、部署、文書種別、公開日、アクセス権などのメタデータで候補を絞れます。たとえば1,200チャンクから「人事部」「2026年以降」「閲覧権限あり」に合う180件へ絞り、その中から上位3件を探します。
リランキングは、最初の検索で集めた候補を別の判定で並べ直す処理です。候補を広めに拾い、その後に上位3件へ絞ることで、速度と精度のバランスを取ります。
top-kの考え方
top-kは返す上位件数です。上位3件から上位10件へ増やすと必要情報を拾える可能性は上がりますが、無関係な内容と入力トークンも増えます。正解が含まれた割合、上位順位、回答品質、応答時間を一緒に測って決めます。
RAGとの違い
Retrievalの出力は検索結果です。RAGは、その結果を質問と一緒にLLMへ渡し、回答を生成する構成全体を指します。検索が失敗したとき、LLMの生成設定だけを変えても根拠は戻りません。検索と生成を分けて評価することが重要です。
運用で確認すること
代表的な質問と正解文書を評価セットにし、必要な根拠が上位3件へ入るかを継続して測ります。また、ユーザーが閲覧できる文書だけを検索対象にする権限フィルターを必須にし、検索クエリ、候補、順位、採用した出典を監査できる形で残します。
メリット・注意点
メリット
- ・LLMへ渡す情報を質問に関係する範囲へ絞れる
- ・文書を更新すれば、モデルを再学習せず検索結果へ反映できる
- ・検索結果と出典を保存し、回答根拠を追いやすくできる
注意点
- ・必要な情報を取りこぼすと、生成側だけでは補えない
- ・無関係な候補が上位に入ると、回答の焦点がずれる
- ・権限フィルターを誤ると、見せてはいけない情報を取得しうる
10秒理解度チェック
RAGにおけるRetrievalの主な役割はどれ?
よくある質問
Retrievalと検索は同じ意味ですか?
このページでは、質問に関係する情報を検索対象から取り出す工程をRetrievalと呼びます。一般的な検索よりも、RAGの生成前工程を指す文脈でよく使われます。
RetrievalとRAGの違いは何ですか?
Retrievalは情報を取り出す工程です。RAGは、その検索結果をプロンプトへ加え、LLMが回答を生成するところまで含む構成です。
ベクトル検索だけがRetrievalですか?
いいえ。キーワード検索、ベクトル検索、両方を合わせるハイブリッド検索、メタデータ絞り込み、リランキングなどを組み合わせられます。
top-kは大きいほど良いですか?
必ずしも良くありません。増やすと取りこぼしは減りやすい一方、無関係な情報とトークン消費も増えるため、評価データで調整します。
一次情報・内容確認
- Retrieval-augmented generation (RAG) in Azure AI Search — Microsoft Learn
- Retrieve - Amazon Bedrock API Reference — Amazon Web Services
内容確認:2026/08/18 / ゆめさく編集部