ゆめさくエンジニア研究所
代表記事2026.09.078分で読めます

未経験からWebデザイナーは9.9割の人は無理(受託会社の本音)

運営代表現役ソフトウェアエンジニア

受託会社としてデザインを外に出す側から、未経験のデザイナーに仕事を出せない理由を書きます。9.9割は測った数字ではなく発注側の体感です。見ているのは要件を読み取れるか、意図を説明できるか、修正に耐えるか、納期と連絡です。

目次6項目
  1. 出せないのは、どう転ぶか読めないからです
  2. 見ているのは、作品の見た目の先です
  3. 例として、ひとつ書きます
  4. 選ばれる人は、未経験の看板を早く下ろしています
  5. では、未経験の人は何をすればいいか
  6. 出せないのは、志望者の欠陥ではなく、受託の構造です

先に、数字の話をしておきます。

9.9割というのは、測って出した数字ではありません。 統計を取ったわけでも、どこかの調査を引いたわけでもない。うちは受託の会社で、デザインを外に出す側です。その立場で仕事をしてきて、未経験のデザイナーの方に出せた場面が、ほとんど思い当たらない。その体感を、姉妹記事と同じ言い方で題に置きました。

田中まほ
田中まほゆめさく広報
測っていない数字を、今度はデザイナー志望の方に向けて出しています。うちはデザインの学校でもないのに。
代表
代表
学校でないから書けることがあります。教える側ではなく、発注する側の話なので。志望者の方がいちばん聞けない相手が、たぶん発注側です。
田中まほ
田中まほゆめさく広報
それでも「無理」は言い過ぎでは。志望者を追い返す題です。
代表
代表
無理なのは「未経験のまま受注に辿り着くこと」です。「未経験から始めること」ではない。そこは本文で分けて書きます。

そのうえで、なぜ出せないのかは説明できます。理由は、腕ではありません。

出せないのは、どう転ぶか読めないからです

受託の仕事は、納期と予算を先に約束しています。お客さんに「この日までに、この金額で」と言ったあとで、中身を作る。

その中身の一部を外に出すとき、発注側が見ているのは、絵が上手いかどうかではありません。渡した仕事が、約束した形で戻ってくるかどうかです。

経験のある方に出すと、戻り方が読めます。初稿がどのくらいの精度で来て、修正が何往復くらいで収まって、どこで詰まりそうか。読めるから、その分を見積もりに入れられる。

未経験の方だと、そこが読めません。上手くいくかもしれないし、いかないかもしれない。読めない分は、こちらが夜に巻き取ることになります。 それを一度やると、次は出せなくなる。悪気ではなく、約束を守るための順番です。

小さい仕事なら出せそうに見えますが、実は逆です。小さい仕事ほど、直す時間が残っていません。

見ているのは、作品の見た目の先です

ポートフォリオは見ます。ただ、見た目で落とすことは、思われているより少ないです。見た目は入口で、判断はその先でしています。

発注側が見ているのは、だいたい次の4つです。

見ているのは、作品の見た目の先仕事を出す側が見ている4つ。見た目は入口で、見た目で落とすことは思われているより少ない。その先に、要件を読み取れるか(依頼文に無いことを聞く)、意図を説明できるか(なぜこの色かを説明できる)、修正に耐えるか(ここで折れる方がいちばん多い)、納期と連絡(できるだけで次を出せる。できないと二度目がない)が並ぶ。4つとも絵の腕に直接かかわるものではない。仕事を出す側が見ている4つ見ているのは、作品の見た目の先絵の腕に直接かかわるものは、ひとつもない見た目は入口見た目で落とすことは、思われているより少ない要件を読み取れるか依頼文に無いことを聞く意図を説明できるかなぜこの色か、を説明できる修正に耐えるかここで折れる方が、いちばん多い納期と連絡できるだけで、次を出せるできないと、二度目がない
仕事を出す側が見ている4つ。

要件を読み取れるか。 依頼文には「トップページを作ってください」としか書いていないことがよくあります。その裏に、誰に来てほしいページか、来た人に何をしてほしいか、が隠れている。読み取れる人は、依頼文に無いことを聞いてきます。読み取れない人は、綺麗だけど使えないものを出してきます。

意図を説明できるか。 なぜこの配置か、なぜこの色か、なぜここに余白を取ったか。「なんとなく良いと思って」は、お客さんの前で通りません。説明できないデザインは、直し方も決められない。発注側は、説明を聞いて初めて、修正の指示が出せます。

修正に耐えるか。 初稿で決まる仕事は、ほぼありません。直しが入ったときに、全体が崩れないか。直しを「否定された」と受け取らずに、要件の側から見直せるか。ここで折れる方が、正直いちばん多い。

納期と連絡。 遅れるなら、遅れる前に言う。返事はその日のうちに返す。これだけです。これができない方には、腕がどうであれ二度目がありません。逆に、これができるだけで、初稿の精度が多少低くても次を出せます。

4つのうち、絵の腕に直接かかわるものは、ひとつもありません。

田中まほ
田中まほゆめさく広報
4つとも「社会人として当たり前」の話です。記事として、読む価値がありますか。
代表
代表
当たり前なのに、志望者の方はそこを飛ばして、ツールの勉強から入ります。順番が逆だ、と言いたい。当たり前のことが、発注側の判断のほぼ全部を占めています。

例として、ひとつ書きます

実在の方の話ではありません。例として、形だけ置きます。

同じバナーの依頼を、2人に出したとします。依頼文には「秋のキャンペーンの申込を増やしたい」と一行だけあった。

1人は、見た目のとても良いバナーを出してきました。ただ、申込のボタンがどこにあるのか、一目では分からない。「申込を増やしたい」という一行が、絵に反映されていません。

もう1人は、見た目は普通でした。ただ、提出のときに一言ついていた。「申込を目立たせたいので、ボタンをここに置いて、周りの要素を減らしました。色は既存サイトのボタンに合わせています」。

発注側が次の仕事を出すのは、後の方です。見た目で選んでいるのではなく、要件が読めていて、意図が説明できていて、修正の指示が出せる相手を選んでいます。 前の方に直しを頼むには、どこから直すかを発注側が考えなければならない。それでは、外に出した意味が薄い。

選ばれる人は、未経験の看板を早く下ろしています

出せた場面が無いわけではありません。少ないだけです。

出せた方に共通していたのは、才能ではなく、上の4つのうち「要件」と「連絡」が最初からできていたことでした。多くは、前の仕事で「仕事の受け方」を覚えていた方です。デザインは未経験でも、仕事は未経験ではなかった。

もうひとつ。小さくても本物の依頼を、ひとつでも通した経験がある方です。知人のお店のメニュー、地域の団体のチラシ、身内の名刺。作品集の1枚に見えても、発注側には別のものに見えます。要件を聞いて、修正を受けて、期日に渡した、という一周が入っているからです。

仕事は未経験ではなかった仕事を出してもらえた方に共通していた2つ。1つ目は、前の仕事で「仕事の受け方」を覚えていて、要件・意図・修正・納期と連絡の4つのうち要件と連絡が最初からできていたこと。2つ目は、知人のお店のメニュー、地域の団体のチラシ、身内の名刺のような、小さくても本物の依頼をひとつでも通したこと。この2つがあると、仕事を出す側から見て、もう「未経験」ではない。仕事は未経験ではなかった仕事を出してもらえた方に共通していた2つ1前の仕事で「仕事の受け方」を覚えていた要件意図修正納期と連絡要件と連絡は、最初からできていた2小さくても本物の依頼を、ひとつでも通した知人のお店のメニュー地域の団体のチラシ身内の名刺仕事を出す側から見ると、もう「未経験」ではない
仕事を出してもらえた方に共通していた2つ。

この2つがある方は、こちらから見ると、もう「未経験」ではありません。経歴の欄がどうであれ、仕事を出す判断の材料が揃っています。9.9割が無理なのは、この看板を下ろせないまま受注に辿り着くことです。

田中まほ
田中まほゆめさく広報
それでも、うちが未経験の方に出さない、と書いてしまうと「育てる気がない会社」と読まれます。志望者の方には、閉じられた扉にしか見えない。
代表
代表
外注は、育てる仕組みではありません。育てる責任を持つのは、採用したときです。受託の仕事を育てる場に使うと、お客さんの納期でその方を試すことになる。それはお客さんにも本人にも良くない。扉が閉まっている理由まで書けば、開け方も書けます。それが次の節です。

では、未経験の人は何をすればいいか

希望を潰すために書いているのではありません。発注側が何を見ているかが分かれば、やることは絞れます。

本物の依頼を、ひとつ受ける今日から費用ゼロでできるのは、連絡の型を先に決めること(受けたらその日のうちに返す、遅れるなら遅れる前に言う)。そのうえで本物の依頼をひとつ受け、要件を聞く、意図を説明する、修正を受ける、期日に出す、の一周を一度通す。無料でも、知人でも構わない。意図のところで作品に「なぜ」を添え、修正のところで直した記録(初稿、修正の指示、最終)を残す。向き不向きの話は、ひとつもしていない。本物の依頼を、ひとつ受ける今日から、費用ゼロ連絡の型を先に決める受けたらその日のうちに返す遅れるなら遅れる前に言う1要件を聞く2意図を説明する作品に「なぜ」を添える3修正を受ける直した記録を残す初稿→修正の指示→最終4期日に出すこの一周を、一度通す無料でも、知人でも構いません向き不向きの話は、ひとつもしていません
今日から費用ゼロでできるのは、連絡の型を先に決めること(受けたらその日のうちに返す、遅れるなら遅れる前に言う)。

作品を増やすより、本物の依頼をひとつ受けてください。 無料でも、知人でも構いません。要件を聞いて、意図を説明して、修正を受けて、期日に出す。この一周を一度通すだけで、発注側から見た景色が変わります。作品集を何枚増やすより、このひとつのほうが効きます。

作品に「なぜ」を添えてください。 誰に向けた、何のためのものか。なぜこの配置で、なぜこの色か。数行で足ります。発注側は絵より先に、そこを読みます。書けない作品は、なぜ作ったのかを自分で説明できない、ということでもあります。

直した記録を残してください。 初稿、修正の指示、最終、の並びで見せる。発注側がいちばん見たいのはここです。修正に耐えた証拠は、完成品だけでは分かりません。

連絡の型を先に決めてください。 受けたらその日のうちに返す。遅れるなら遅れる前に言う。これは今日から、費用ゼロでできます。これができない経験者より、これができる未経験者に出す発注側は、たぶんうちだけではありません。

受けるなら、直す時間のある案件から。 納期が詰まった案件は、未経験の方には向きません。相手が直す時間を持っている案件を選ぶ。急ぎの案件で信用を落とすと、取り返すのに時間がかかります。

ツールの勉強を止めろ、とは言いません。ただ、上の5つを飛ばしてツールだけを進めても、発注側から見える景色は、ほとんど変わりません。

出せないのは、志望者の欠陥ではなく、受託の構造です

最後に、ここだけは書いておきます。

未経験の方に出せないのは、その方に何かが欠けているからではありません。納期と予算が先に決まっている、という受託の構造の側の話です。読めない相手を入れられない仕組みの中で、こちらが仕事をしている。それだけです。

だから、この話を「自分には向いていない」に変換しないでください。向き不向きの話は、ひとつもしていません。読めるようになる方法があって、その順番を書いただけです。

田中まほ
田中まほゆめさく広報
この記事、読んだ方がうちに来る導線がどこにもありません。広報として、書く意味を説明してほしいです。
代表
代表
導線はありません。うちはデザイナーの学校ではないので、来られても渡せるものがない。書く意味は、発注側の本音が志望者の方にほとんど届いていないからです。届けば、勉強の順番が変わる方がいる。それで足ります。

更新履歴 2026-09-22 公開

※筆者は「ゆめさくエンジニア」の運営代表です。受託開発の会社を経営しており、本文は発注する側から見た2026年9月時点の見方です。

Counseling

個別カウンセリング

受講を決める前に、オンラインで60分、人に相談できます。無料で、希望した人だけが予約する形です。

たとえば次のような相談です。

  • 自分の生活 (仕事・家庭) で学習時間を確保できるか
  • どの職種を目指すのがよさそうか
  • 他社と迷っている

状況を聞いたうえで、ほかのスクールのほうが合うと思えば、そう伝えます。

無料体験授業と個別カウンセリングの中身と申し込み方を読む

ゆめさく研究所は、プログラミングスクール「ゆめさくエンジニア」の運営側が書いているメディアです。

X で共有する