3秒でわかる
作業ごとの関わり方を 4 種類に分けて表にまとめる役割整理の手法。誰がやるのか誰が決めるのか分からない状態を防ぐために使います。
もう少し詳しく
どういうものか
RACI は、タスクごとに関係者の関わり方を 4 つに分類して一覧表にする手法です。縦にタスク、横に関係者を並べ、交差するセルに記号を入れます。
R Responsible 実際に手を動かす人
A Accountable 最終的に責任を負い、承認する人
C Consulted 事前に意見を聞く人(双方向)
I Informed 結果を知らせる人(一方向)原則として A は各タスクに必ず 1 人だけ置きます。R は複数いてもかまいません。同じ人が R と A を兼ねることもあります。
なぜ必要か
プロジェクトが止まる原因の多くは、作業量ではなく判断の空白です。「誰かがやると思っていた」「これは自分が決めていいのか分からない」という状態が続くと、レビュー待ちのまま日程だけが過ぎます。逆に承認者が 3 人いると、意見が割れたときに決着が付きません。
A を 1 人に固定するのは、この決着を担保するためです。C と I を分けるのは、意見を求める相手と、事後に知らせるだけの相手を混同すると、確認の往復が無制限に増えるからです。
具体例
Web サイト刷新の一部を表にすると下記のようになります。
| タスク | PM | デザイナー | エンジニア | 法務 | 事業部長 |
|---|---|---|---|---|---|
| 要件定義 | A | C | C | I | I |
| デザイン制作 | I | R/A | C | I | I |
| 実装 | I | C | R/A | - | I |
| 個人情報の表記確認 | I | I | I | R/A | I |
| リリース判断 | R | I | I | C | A |
リリース判断の A が事業部長にあることで、当日に誰が最終判断をするかが事前に決まっています。
つまずきやすいところ
最も多い失敗は、C を増やしすぎることです。関係者全員に意見を聞く形にすると、1 つのタスクごとに合意形成の会議が発生し、表を作った目的である迅速化が失われます。実際に判断を左右する人だけを C にし、他は I に落とします。
A が空欄のタスクを残すのも典型です。R だけ決めて A を決めないと、完成の判定基準が誰にもない状態になります。
作って共有した後に更新されない表も多く見られます。担当交代や体制変更があった時点で価値が失われるため、更新できない粒度まで細かく分けないほうが機能します。
似た用語との違い
| 手法 | 特徴 |
|---|---|
| RACI | R・A・C・I の 4 分類。最も広く使われる |
| RASCI | S(Support 支援者)を加えた 5 分類 |
| DACI | Driver・Approver・Contributor・Informed。意思決定寄り |
覚え方
手を動かすのが R、首を縦に振るのが A、聞かれるのが C、知らされるのが I。A が 2 人いる表は作り直しの合図です。