2013年11月、Targetの店舗のPOS端末にカード情報を盗むマルウェアが仕込まれた。米上院商務委員会の報告書によれば、攻撃者はまずペンシルベニア州の空調工事業者Fazio Mechanical Servicesにフィッシングメールを送り、同社がTargetの請求や発注のために使っていたAribaという外部システムの認証情報を手に入れた。この窓口はTargetの社内ネットワークから十分に切り離されておらず、攻撃者はそこを足がかりに、POS端末のある最も重要な領域まで内部を移動した。11月30日までにPOS端末の大半にマルウェアが入り、同じ頃データを外へ送り出すための別のマルウェアも社内サーバーに置かれた。
Targetが導入していたFireEyeの検知システムはマルウェアの設置のたびに警報を出し、自動で削除する設定も用意されていたが、Targetのセキュリティチームは警報に対応せず、自動削除も有効にしていなかった。攻撃者は12月2日からロシアにあるサーバーへ平文のFTPで二週間かけてデータを持ち出した。Targetは2013年12月12日に司法省から連絡を受けて初めて侵害に気づき、12月19日に4000万件のカード情報が流出したと公表した。2014年1月10日には、氏名や住所などさらに7000万件分の個人情報も盗まれていたと明らかにした。