2024年2月12日、何らかの方法で盗まれた認証情報を使って、犯罪者がChange HealthcareのCitrixの遠隔接続ポータルに侵入した。このポータルには多要素認証が掛けられていなかった。侵入したあと攻撃者はシステムの中を横に移動し、2月17日から20日にかけて医療保険の加入者番号、診断名や治療のコード、氏名や社会保障番号などを含むデータを持ち出した。
2月21日の朝にランサムウェアが実行されてシステムが暗号化され、親会社のUnitedHealth Groupはこの日に攻撃を把握した。会社は感染の広がりを防ぐため直ちにデータセンターとの接続を切り離し、数時間のうちにFBIへ連絡した。Change Healthcareは処方薬の受け取りや医療機関への保険金の請求と支払いの処理を担っており、システムの停止で全米の薬局や病院、診療所で決済や保険金請求ができなくなった。
CEOのアンドリュー・ウィッティは、身代金を支払う決断は自分がしたと上院財政委員会で証言し、2200万ドル相当のビットコインを支払ったことを認めた。会社は汚染された環境を使わず新しい技術環境を作り直して主要なシステムを順番に復旧させ、医療機関には無利子の融資などで90億ドルを超える資金支援をした。影響を受けた人数の確認には数か月を要し、2025年2月の年次報告の時点で約1億9000万人に上ると会社は説明した。